LiBの創業期にジョインした、キャリアアドバイザーの濱田。立ち上げ当初からあらゆる業務を経験してきたこともあり、いわば「生き字引」のような存在。プライベートでは2児の母であり、LiBのメンバーのことも母のように温かく見守ってくれています。そんな濱田には、事業にコミットする原動力となる、強烈な原体験がありました。
天職と思えた人材の仕事と、不安に襲われた離職期間
ー まず始めに、LiBに出会う前のキャリアを教えていただけますか?
新卒で入社したのは、大手の人材紹介会社でした。私、就職活動がとても楽しかったんですよね。特に会社説明会が本当に好きで。業界のことも、企業のことも何も知らない人に対して、理解できるように趣向を凝らして説明してくれる。それを聞いているだけで自分の世界が広がるような気がして、200社ぐらいの説明会に参加しました。
ずっと就職活動をしていたい…とすら思っていた時に、人材業界に出会いました。ここなら企業研究や業界研究をずっとできるかもしれない!と、直観的に就職先を決めたのです。
キャリアアドバイザーの仕事はすごく忙しかったけれど、天職だと感じるほど夢中になれました。でも4年勤めた頃に長男を妊娠し、体調が思わしくない日が続き、退職せざるを得ない状況になってしまいました。
ー 仕事を続けたいと思っていた中で、辞めざるを得ないというのは自分自身とても戸惑いますよね。
そうですね。それに13年前のことなので、自分の価値観も、世の中の価値観も、今とは少し違っていて。出産退職した人の「リキャリア」という考え方は今ほど一般的ではなかったですし、家族からも専業主婦になることを強く望まれ、育児に全力投球することにしました。
子どもたちと自宅にて
「離職期間」は、本来、必ずしもネガティブなものではありません。ただ自分の場合は人材業界の経験があったせいで、自分自身の「市場価値」をつい、業界の価値観やキャリアアドバイザーの目線で考えてしまいました。育児に専念する日々はとても幸せだったのですが、ふとした瞬間にネガティブな気持ちになることが続きました。
お仕事のお誘いをいただいたこともありましたが、そもそも保育園が見つからないんです。そして保育園が確保できない限り、新しい仕事も探せない。この負のループは今でも大きな社会問題ですが、もれなく自分自身も経験しました。この時の、自分ではどうしようもできない苦しい原体験が、LiBの事業にコミットする原動力になっています。
使命感に駆られ、立ち上げから参加したLiB
ー LiBには、そんな専業主婦時代に出会ったんですよね。
そうです。当時、創業者の松本が女性のキャリア支援事業を立ち上げるために、「働きたいのに働けない」という悩みを抱える多くの女性にインタビューをしていたんです。機会があって自分もインタビューに参加し、「以前はバリバリ働いていたが、今はブランク中の女性」というカテゴリで話をさせてもらいました。
その時にLiBの事業構想を聞いて、あまりにもビビッときたんです。「働きたいけど働けない人のために、選択肢をつくっていく」ーーこれは、まさに「今」の自分がやりたいことなのではないか、と。自分と同じようなことで悩み、同じようなことで困っている人たちの力になりたい。自分がやらねば誰がやる…という使命感すら感じてしまうほど、LiBは「私自身」でした。
ご縁をいただき、苦労して家族の理解を得た末に、業務委託・リモートワークという形でジョイン。時には子どもを連れて会議に参加したこともあります。当時は子連れ出社なんて珍しかったですし、自分でもこんな働き方が叶うなんて思ってもいなかったので、ただただ感謝とやる気に溢れていましたね。
オフィスに子連れ出社
ー 実際にジョインしてみて、どうでしたか?
本当にエキサイティングな日々でした。普通の企業でしか働いたことのなかった私にとって、ベンチャーの立ち上げに携わるという経験は、刺激の連続でしたね。
構想段階から参加させてもらっていたので、誰に頼まれたわけでもないのに、キャリア女性が抱える課題感について勝手にレポートを作って提出したりもしました(笑)。まさに使命感に駆られているという状態で、いつも前のめりで、夢中だったのを覚えています。
ー その姿が目に浮かびます…!社員として正式に入社した後は、どんな仕事をやりましたか?
CSからスタートして、キャリアアドバイザーや法人営業、PRの補助、経理や労務、総務など…仕事の範囲を限定せず、自分がやれることは全部やりましたね。
やっぱり印象に残っているのは、キャリアアドバイザーとして個人をご支援する仕事です。
悩める女性たちのお話を聞かせていただく中で、本当に十人十色の悩みに触れました。中でも当時は、「ロールモデルがいない」という悩みを抱えている人が圧倒的に多かったように思います。
「こんな生き方、働き方を叶えたいけれど、きっと無理だろうな」と、初めから諦めてしまっているケースが本当に多かったんです。そのたびに私は、「ロールモデルがいないなら、自分がロールモデルになっていこう」と声をかけ、伴走しました。なぜなら、自分自身がそうだったからです。
フルリモート勤務も、子連れ出社も、全部ひとつひとつ会社と相談して実現してきたことです。「自分はこういう働き方がしたい。こういう業務ならリモートでも成果を出せる」と、必ずワンセットで伝え、信頼関係を築きながら、自分なりの仕事のカタチをつくっていきました。
オフィスパーティにも家族で参加
当時も、今も、ユーザー様に必ずお伝えしているのは、「自分自身が何をいちばん大切にしたいのかを見つけることが大事。それを軸に、自分の中にさまざまな選択肢を持つことが、新しい可能性につながる」ということです。無理だろうな、と諦める前に、自分を大事にしながら視野を広げてほしいなと思っています。
原体験を活かして、新規事業にチャレンジ
ー 人生の先輩として相談に乗ってもらえると、ユーザーさんもすごく心強かったでしょうね。今もまさに、ご自身の原体験を活かせるポジションで活躍されていると伺っています。
はい。「リモートワークエージェント」というサービスで、キャリアアドバイザーを担当しています。「リモートワークエージェント」は、時間や場所の制約に縛られない働き方ができる求人をご紹介することで、家庭と両立したい方やパートナーの転勤に伴って離職した方はもちろん、地方在住の方など、ご事情・性別に関わらずリモートワークのご希望がある方の前向きなキャリアをご支援するサービスです。
実はこのサービスは、2020年に、コロナの影響でリモートワークが急速広がったことがきっかけで立ち上がりました。LiBzCAREERの登録ユーザー様から、インサイドセールスやカスタマーサポート、カスタマーサクセス等の職種で、即戦力になれる方をスピーディに企業様にご紹介しています。おかげさまで、企業様にもユーザー様にも、非常に喜ばれるサービスに成長しています。
ー 事業のおもしろさは、どんなところでしょうか?
「新規事業」としてのおもしろさが一番ではないでしょうか。人材紹介とも、転職メディアとも異なるサービスなので、社内に前例がないし、誰も正解を知らないという状況でのスタートでした。まさに「走りながら考える」という感じで、事業を運営しながら浮かび上がってくる課題を、それぞれのメンバーがラストマンとしてひとつひとつ判断し、実行していきました。
サービス開発にも全員で向き合い、課題を「Issue/ToDoシート」で管理し、優先度や重要度を整理して一つ一つクリアにしていきました。細かいPDCAを愚直に回し続けることで、どんどん改善が進んだと思います。この間ふと、半年前のIssueシートを見たのですが、課題感の粒度が今と全然違うんですよね。事業の進化を実感しました。
事業の成長も、自分自身の成長も強く感じながら業務にあたることができていて、毎日がとても有意義です。
「時間と場所の制約」で諦めかけている人を救いたい
ー 伸びている手ごたえがあると、やりがいも大きいですね。
そうですね。あとはやはり、自分自身の大きなやりがいとして、「時間や場所の制約」で選択肢がなく苦しんだ原体験がそのまま、原動力になるという点もありますね。
「リモートワークエージェント」で叶える転職は、募集要項に書かれている条件に自分を合わせていくのではなく、あくまで自分を軸に仕事を選べるのが特徴です。つまり私たちも、「その人のスキルや経験、大事にしたい生き方」を最も重要な前提条件として捉え、求人をご紹介したり、企業にご提案したりしています。個人のニーズにとことん寄り添って、これまでにない自由度の高い仕事選びをご支援できている実感があります。決まった型はなく、お一人お一人に合った「仕事のカタチ」がどんどんつくられていっています。
本来、生き方や働き方は千差万別であり、型化すること自体が難しいものです。目の前の制約で諦めることなく、本当にその人らしい選択、その人ならではの活躍を叶えるサポートをすることが、私にとってこれ以上ないやりがいですね。
ー たしかに、これだけライフスタイルが多様化している今、画一的な働き方のほうが不自然かもしれないですね。印象に残っている案件はありますか?
最近ご支援した、デザイナーさんの案件ですね。その方は5社で勤めたのち、フリーランスデザイナーとして活躍していた1年前に、第一子を出産されました。
今後のキャリアを考えて転職活動を始めるも、保育園確保のためにすぐに就業する必要に迫られ、納得のいく転職活動ができないまま、近所の飲食店に就職されたのです。しかしその後、コロナ禍の影響で、飲食店の仕事も退職せざるを得なくなり…。
都内までは通勤時間が長くかかることや、認可外保育園のため子どもを預けられる時間に限りがあることから、フルリモートかつ時短という条件で、ご登録いただきました。
そして求人をご提案する中で、前回の転職活動で受けていた企業とたまたま出会います。前回は正社員募集で、働き方の面で双方マッチせずに、お見送りという結果でした。しかしコロナ禍を経てその企業にもリモート環境が整い、かつ既存社員の産休育休が増えて人手不足だったこと、時短勤務などの制度が整いつつあることなどの好運が重なり、今回、満を持しての入社となったんです。
結果的に社員採用という形になり、時短かつフルリモートという絶対に譲れないポイントを維持しながら、納得のいくキャリアチェンジを実現できた事例です。自分のことのようにうれしかったですね。
この方だけはなく、地方に住んでいてキャリアを諦めてしまっていた人が、サービスを通じて業務委託でジョインし、その仕事っぷりが認められて社員登用されている事例も多数あります。新しいキャリアメイクの「道」をつくっている手ごたえがあります。
ー 素晴らしい…。今もなお「時間や場所の制約」で何かを諦めかけている方々に、しっかり届けたいサービスですね!そんなサービスを運営しているチームについてもお聞かせいただけますか?
チームには私のように育児中のママ・パパもいれば、新卒2年目のメンバーもいて、非常にバラエティに富んでいると思います。雰囲気は和やかですが、みんな熱量がとても高くて、それぞれを信頼し、背中を預け合って働いている感じが心地よいと感じています。
チームのオンラインミーティングの様子
働き方はほぼフルリモートですが、オフィス出社も自由なので、それぞれのスタイルで働いています。私は小学生の子どもが夕方前に帰宅してくることもあり、ほとんど在宅勤務ですね。
子どもがいることはキャリアのハンデではなく、原動力
ー 創業当時、オフィスに連れてきていた子たちが、もう小学生なんですね。会社とともに成長していますね!(笑)
そうですね。早いもので、上の子は来年、中学生になります(笑)。プライベートでは男子2人の母を思いっきり楽しんでいます。平日は頭を使って、休日は体を使って…という感じで、いいバランスですね。子どもたちは釣りが好きなので、一緒に魚を釣って、帰ってきてから子どもと一緒にさばいたり。親子野球大会があれば、バッティングセンターに通ってホームランを打つために本気で練習したり。仕事と同じくらい全力投球していますね!
親子野球大会にも全力投球!
私にとって、子どもたちは働く「エンジン」なんです。子どもたちが自分を頑張らせてくれている、と思っています。「家庭と仕事の両立」と一言で言っても、何をもって両立できているかは、人それぞれ考え方が違います。私は、自分も子どももお互いに納得して、正々堂々と向き合えていることが大事だと考えています。
例えば、多少部屋が散らかっていても、お迎えが最後になってしまっても、その「事象」に対しては「ごめんね」と思いますが、スタンスに対しては「ごめんね」とは思わない。これは、働きながら育児をすると決めた時に、自分に誓ったことでもあります。
ずっと「ごめんね」と思っていると、なんだか子どもが可哀想みたいになるじゃないですか。そうではなくて、自分のできることを精一杯やって、誇れる仕事をして、子どもたちも学校や遊びを思いっきりやって、お互い「お疲れ!」と言い合えるような関係を築いてきました。キャリアを継続する上で、家族とどんな関係性でいるかは、すごく大事なことだと思っています。
こんな人と働きたい
ー 子育てとのバランスがうまく取れずに悩んでいる全ての方たちに届けたい言葉です…!最後に、LiBに興味を持ってくれている方へメッセージをお願いします。
会社って、自分が成し遂げたいことを効率よく実現するための、ひとつの場所だと思うんです。1人でできることにはどうしても限界がありますからね。役割意識を持ち、責任はしっかり果たした上で、自分のWillも叶える。LiBは、それができる場所だと思います。だから何か叶えたいことがある人と、叶えたい未来に向かって一緒に頑張りたいなと思います。
今、とても面白いフェーズに入っていると思うので、少しでも自分の実現したい何かを叶えられそうだと思ったら、ぜひ話を聞きに来てほしいと思います!
チームのみんなで目標達成ランチ
濱田さんってこんな人!
★今プライベートでハマっていることは?
サウナが好きです。近くの銭湯の個室サウナに週2くらいで行っています。
★いちばんテンションがあがる瞬間はどんな時?
人が喜んでいる顔を見るのが好きです。夕ご飯をつくって「美味しい!」と言われるときのような、貢献実感を持てる瞬間が一番うれしいです。
★濱田さんが思う「LiBあるある」を教えて下さい!
お互いにリスペクトする風土があるから、自分の好きなことを臆せず言える でしょうか。
キノコが凄く好きな人、猫が凄く好きな人などいろんな人がいますが、「みんな違ってみんないい」の雰囲気があるので、安心して自由に自分の好きなことを話してます。私はメダカが好きです。
★濱田さんにとっての自分らしい仕事のカタチとは?
「選択肢の中から自分で決めた」という判断の過程を経たうえで、納得感を持って働くことが「自分らしさ」だと思います。
なので、私はその「選択肢」を提供したいと心から思っているし、そのために頑張りたい。
それが私の「自分らしい仕事のカタチ」です。
【採用募集】
LiBでは、キャリアパートナーを募集しています!
以下より、お気軽にお問い合わせください。
キャリアパートナー
https://herp.careers/v1/libcorp/FCIuspNntCmZ
インタビュー・撮影:岡田 麻未(株式会社LiB 広報)
書き手:高嶋 朝子(株式会社LiB プロダクト部門)
WEBメディアや広告の制作ディレクション、イベントプロモーションなどの仕事をしながら、プライベートでは結婚・出産を経験。2017年、自身のライフイベント経験を活かせる事業テーマに向き合うため、LiBにジョイン。リモートやフレックスを活用して二児の子育てをしながら、コンテンツクリエイティブの企画制作、ライティングを担当。