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世界経済フォーラムが2022年に発表した「ジェンダー・ギャップ指数2022」では、日本は146カ国中116位。昨年と同様に主要先進国では最低レベルという結果となりました。
『Forbes JAPAN WOMEN AWARD』は、ジェンダーギャップ解消のためのベストプラクティスを共有し、企業と個人をエンパワーメントするアワードとして、株式会社LiBとForbes JAPANとの共催にて2016年に発足しました。サーベイ調査によって選ばれた企業と、評議員の審査を経て選出される個人を表彰。各社の取り組みやプロセスも評価し、継続的に女性活躍を推進していくための指標となるフィードバックレポートも提供しています。
今年の授賞式は、働き方と働く場を“REDEFINE” “REIMAGINE”する共創のフォーラム「WORKSTYLE FORUM」という形式で、オンラインにて開催。その中で、受賞企業・受賞者が発表されました。
スローガンは、【「変われない日本」を、企業から変えてみせる。】
今年のサーベイでは、コロナ禍を経て大きな変化を遂げた「働き方」に関する調査項目を増やすなど、より実情に即した内容へとアップデートした内容となっており、企業における「柔軟で多様な働き方の推進」と「性差なき活躍」との相関を探りました。社内の女性活躍推進のために大きなアクションを起こした人物やチーム、女性登用を進めることで成長を加速させた事例に着目・企業のポジティブな努力を見える化することで、経済面におけるジェンダーギャップ解消への寄与を目指しました。
また、サーベイの結果だけではわからない着目すべき企業には、「特別賞」という形でスポットライトが当てられました。過去からの成長率や新規性のある取り組み事例に注目し、時系列データの変化率や、定性的な取り組み事例を元に選定されました。
授賞式では、受賞者と受賞企業の発表のほか、トークセッションを実施しました。
まずは企業総合部門の各従業員規模で1位を受賞した企業の皆様をお迎えし、Forbes JAPAN 藤吉編集長と共に、「ダイバーシティ戦略はなぜ企業価値を高めるのか」というテーマで話し合いました。ダイバーシティ推進における日々のコミュニケーションの工夫や採用過程でのエンパワーメント、当事者の意見を取り入れた施策のアップデートなど、各社の取り組みを紹介。また、フェアな仕組みづくりを地道に続けることで未知なるイノベーションが生まれたり、職場の心理的安全性の向上が積極的なチャレンジに繋がったりすることが、結果として企業価値を高めていくということが語られました。
さらに今年は、パーソルホールディングス株式会社 CHROの美濃 啓貴氏、そしてパーソルキャリア株式会社 DI&E推進部 マネジャーの松尾 れい氏によるスポンサーセッションも実施。社員のウェルビーイング向上のためのエンゲージメント施策や、女性特有の健康問題にフォーカスしたヘルスリテラシーの施策などが紹介されました。松尾氏は、「一枚岩になって施策を進めるためには、人事だけ、あるいは担当組織だけで活動するのではなく、現場のリアルな声を拾い、丁寧なディスカッションを経て経営陣が受容していくという地道な過程が重要である」と語りました。
個人部門の受賞者によるトークセッションでは、「私というロールモデルのつくり方」というテーマで、それぞれのキャリアの歩みについて語られました。「圧倒的男性社会の中で女性としてどのように活躍してきたのか」「老舗企業における女性リーダー像は?」など、自身でキャリアを切り開いてきたからこそのストーリーを紹介。さらに、価値観が多様化したことでロールモデル不在に悩む次世代のリーダーに向けて、「とにかく一歩踏み出してみる」「自分の興味をとことん追求してみる」「ロールモデルを探すより、自分のWillに向き合い、それを発信し、仲間を探してみる」「変化や成長を心から楽しむ」など、自分らしい活躍をエンパワーする言葉が贈られました。
個人部門、受賞者一覧(※順不同)
Forbes JAPAN WOMEN AWARD「サーベイ」の回答を集計し、事業、商品やサービスの立ち上げや成功に大きく貢献した女性や、女性が少ない領域で功績を残し、女性として初めて特定の役職に就いた方、イノベーションを創出した女性起業家、新たな考え方や価値観を世の中に広めた女性、男性でも育児参加について自ら実践したり情報発信などの啓蒙活動に取り組んでいる方や「性別役割分担意識」をなくす取組みを精力的に行なっている男性リーダーを対象に候補者を選出しております。
【ブレイクスルー賞】
三宮 晶子氏
株式会社高知銀行 常務取締役
受賞理由:商業高校を卒業後、18歳で前身の高知相互銀行に1976年に入行。支店長などを経て2017年から現職、地元高知銀行の取締役に就任されました。金融庁によれば、最終学歴が高校卒の女性で取締役になったのは銀行業界で初とのことです。日本の地銀のジェンダー格差や、外からは見えない重圧の中でキャリアを切り開いたことが評価されました。
【チェンジメーカー賞】
星野 歩子 氏
東京工業大学 生命理工学院 准教授
受賞理由:世界で初めて、がんの転移に深く関与しているのが「エクソソーム」と呼ばれる物質であることを明らかにし、2020年第2回「輝く女性研究者賞」や2021年全米医学アカデミー カタリスト・アワード受賞など、医学における国際的な賞を受賞したことが評価されました。
【パイオニア賞】
山下 良美 氏
サッカー国際審判員
受賞理由:2012年に女子1級審判員の資格を取得し、2015年に日本サッカー協会 (JFA) 推薦により国際サッカー連盟 (FIFA) の国際審判員に登録されました。
2021年には、Jリーグ史上はじめて女性として審判員(主審)のリスト入りし、そして今年、カタール・ワールドカップに史上初の女性審判員として選出されました。FIFAが選出した36名の主審の内、女性は3名のみで山下様はその内の1名として、日本人初の選出となり、日本のサッカー界に大きな影響を与えたことが評価されました。
【イニシアティブ賞】
及川 美紀 氏
株式会社ポーラ 代表取締役社長
受賞理由:2020年からポーラ初の女性代表取締役社長を務められております。
2029年までに女性管理職の比率を現在の30%前後から50%程度に引き上げる方針を明らかにしており、役職候補者のリスト作成時に働いているアンコンシャスバイアスや“思いやり”による排除を取り除くなどの対策や「法律上の家族・親族」のみが対象だった福利厚生の適用対象範囲を事実婚や同性パートナーを含めた「実質上の家族・親族」に広げるなど、社員それぞれが公平に認められ力が発揮できるような環境づくりを積極的に進めている点が評価されました。
【HeForShe賞】
佐俣 アンリ 氏
ANRI株式会社 代表パートナー
受賞理由:「女性起業家への投資企業比率 20%」という定量目標を2020年11月末より社会に公言し、約一年半でその目標を達成されました。スタートアップ業界の女性が極端に少ない状況に対し、ジェンダーを超えた活躍について声を上げ、具体的な目標を掲げ、その流れを加速させた女性起業家投資の先駆けとしての有言実行のアクションが評価されました。
※個人部門を受賞された皆さま
左から、星野氏、及川氏、三宮氏、山下氏、佐俣氏
企業総合部門、受賞者一覧
女性活躍推進やD&I推進を行う企業を対象にサーベイを実施し、定量的なデータスコアリングをもとに規模別ランキングで優れた企業を表彰するものになります。
管理職や役員比率などの結果だけでなく、女性が活躍できる基礎作りを進めるために、各社が積極的・経営的・組織的に実施している取り組みや人事制度施策といった点も評価し、総合スコアを出しております。
【1001名以上の部】
1位 日本アイ・ビー・エム株式会社
注目ポイント:
・管理職割合と、役員割合が同業種・同規模企業と比べて数値が全体的に高い
・職位別の男女の偏りが他社よりも小さく、しっかりと経営に女性が参画してることが数値で証明されている
・同社が推進する「New Way of Hybrid & Personalized Working」が具体的な制度面まで落とし込まれている
2位 フィリップモリスジャパン合同会社
注目ポイント:
・社員は女性が多いが、管理職や役員レイヤーは男性が多い、といった職位別の偏りがない
・日本で初めてNPO法人「EQUAL-SALARY Foundation」から認証を受けている
3位 ファイザー株式会社
注目ポイント:
・職位別の偏りが非常に少なく、大規模ながら役員の女性比率も35.3%と高い水準となっている
・リモート実施率が高いなど、柔軟な働き方が実践できている
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを全社的に推進し、様々な背景を持つ社員が働きやすい環境やそれらを受け入れる土壌を作っている
<4位~10位>
4. フューチャー株式会社
5. P&Gジャパン合同会社
6. ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ
7. MRKホールディングス株式会社
8. リコーリース株式会社
9. 富士ソフト株式会社
10. 株式会社パソナグループ
【101名以上1000名以下の部】
1位 株式会社Mahalo
注目ポイント:
・女性が経営参画しやすい計画的な機会の提供のみならず、キャリア開発支援制度も充実している
・時間や参画形態の変更などが希望に合わせて働けるようにされている
2位 株式会社スリムビューティハウス
注目ポイント:
・係長、管理職、役員などの役職のついたレイヤーの女性割合が高い
・女性活躍における経営の推進力が高く、かつそれを従業員も実感している
・育成・登用や、意識改革など、女性活躍でいう「後期フェーズ」の取り組みが同規模他社と比べて進んでる
3位 ブリティッシュアメリカンタバコ合同会社
注目ポイント:
・残業時間が同規模他社と比べるとかなり少ない
・働く時間と場所の柔軟性が提供できている
<4位~10位>
4. コーニングジャパン株式会社
5. エコラボ合同会社
6. ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社
7. 有限会社mode-Duo
8. 社会福祉法人風の森
9. 松本興産株式会社
10. 株式会社LIFE CREATE
【100名以下の部】
1位 株式会社バオバブ
注目ポイント:
・全体的にスコアの偏差値が高く、本従業員規模の会社の中ではかなり進んでいる
・男女の平均年収比や勤続年数比、管理職・役員の女性比率など、結果を出すのに時間がかかる項目も数値が高い
・同社が大切にしてる価値観『バオバブとつながるすべての人がI’m remarkable. と実感できるように。』が組織に浸透している
2位 株式会社REJI
注目ポイント:
・女性が経営層にも入り込み、影響を与えている
・残業時間がゼロである
・女性が活躍できるように取り組みも継続されている
3位 株式会社ピーステックラボ
注目ポイント:
・女性が経営層にも入り込み、影響を与えている
・男性の育休取得も進んでいる(育休取得率100%)
・リモート実施率が高いなど、柔軟な働き方が実践できている
<4位~10位>
4. 株式会社V Holdings
5. Attack株式会社
6. 有限会社インジェクターイーユナイテッド
7. 株式会社ウフフ
8. 株式会社シルキースタイル
9. 株式会社Playce
10. 株式会社コスモピア
※企業部門、規模別で1位を受賞された皆さま
左から、株式会社バオバブ 相良氏、株式会社Maholo 松井氏、日本アイ・ビー・エム株式会社 山口氏
企業特別部門
<活躍実感度ランキング>
企業の経営における女性参画の公平性に加え、従業員の“活躍実感度”が高い企業様に贈られる賞
【1001名以上の部】P&Gジャパン合同会社
注目ポイント:
・女性が経営に参画し、また多くの女性が働きがいをもって働くことができている
・ジェンダーギャップを感じる場面もほとんどなく性差のない職場になっている
【101名以上1000名以下の部】株式会社コドモン
注目ポイント:
・女性が経営に参画し、また多くの女性が働きがいをもって働くことができている
・時短の方もマネージャーとして活躍したり、役割や評価に差を感じにくく、性差のない職場になっている
・男性も育児に参加する社風があり、時間に関する感覚も差を比較的感じにくい職場になっている
【100名以下の部】株式会社Yuimedi
注目ポイント:
・女性が経営にも参画し、また多くの女性が働きがいをもって働けている
・ジェンダーギャップを感じる場面もほとんどなく性差のない職場になっている
<経営トップ実行力ランキング>
経営陣が積極的に女性活躍を推進している企業様に贈られる賞
【1001名以上の部】P&Gジャパン合同会社
注目ポイント:
・経営陣が女性活躍に対して積極的であり、管理職、従業員もそう感じている
・実際に育成やキャリア開発などの制度が整備され、女性の経営参画という結果につながっている
・いずれの視点でも女性が活躍していることが確認され、企業成長の原動力になるまでに昇華されている
【101名以上1000名以下の部】株式会社Mahalo
注目ポイント:
・経営陣が女性活躍に対して積極的であり、管理職、従業員も強く実感していること
・実際に育成やキャリア開発の研修などが整備されている点
【100名以下の部】株式会社Playce
注目ポイント:
・経営陣が女性活躍に対して積極的であり、かつその言動が従業員にまで伝わっている
・実際に制度(子連れ出社など)や設備(授乳室など)など、具体的に働く環境が整備されている
<ポジティブアクション賞>
総合スコアに限らず、定性的な取り組みや制度の内容が優れ、ほかの企業の規範となる企業に贈られる賞。独自性、新規性、再現性の観点から選定。
・リコーリース株式会社 「はぴねすトレーニング」
受賞理由:
育児や介護、パートナーの病気など制約のある働き方を1か月、管理職が疑似体験する体験型のトレーニングで、管理職(組織長)が制約ある働き方を実体験することにより、体験者本人だけではなく、周囲のメンバーも「多様な働き方」への理解を深め、協力しあい、皆が活躍できる環境を作るにはどうすれば良いかを見つけてもらうきっかけを作る施策を実施。
また、プレ導入でテストを実施の上体験者の意見を収集し、改善をしてから本導入に至る過程も、「現場の声を聞いて推進する取り組み姿勢」として評価。
・SheepMedical株式会社 「サスティナブル・ボーナス」
受賞理由:
「自分の業務を頼めないから休業を取得しない」という社員を減らすことを目的として、育児や介護など、家庭の事情によって15日以上、3カ月未満の短期休業を取得する社員本人に代わって業務を行う社員に対して、「Sustainable Bonus(サスティナブル・ボーナス)」を支給。
制約を受ける当人が働きやすいようにする制度設計だけにとどまらず、当人の制度の活用のしやすさや当人でない周りのメンバーがメリットを受けられることで、双方にとって嬉しい取り組みであることが評価。
アドバイザリーボード
主に個人部門の審査に関わったアドバイザーは下記の8人
岡島 喜久子氏(WEリーグ 初代チェア)
キニマンス 塚本 ニキ 氏(TBSラジオ「アシタノカレッジ」パーソナリティ)
白河 桃子 氏(相模女子大学大学院特任教授、ジャーナリスト、作家)
辻 愛沙子 氏(arca代表取締役、クリエイティブディレクター)
萩原 なつ子 氏(独立行政法人 国立女性教育会館 理事長、立教大学名誉教授)
藤沢 久美 氏(国際社会経済研究所 理事長)
谷本 有香(Forbes JAPAN Web編集長)
松本 洋介(LiB 代表取締役)
※アドバイザリーボードの皆さま
左から、谷本氏、辻氏、萩原氏、白河氏、松本
『Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2022』開催概要
日時: 2022年10月6日(木)17:00〜19:00
主催: Forbes JAPAN
共催: 株式会社LiB
開催形式:オンライン配信(無料・事前登録制)
公式サイトURL:
https://forbesjapan.com/feat/womenaward2022
【Forbes JAPAN 媒体概要】
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