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「うち、女の子いらないんだけど」から始まった新卒の就活
ー学生時代は工学を専攻していたそうですが。
都市デザインを勉強していました。まちづくりに関心があったので、進路の候補としては公的機関もしくはゼネコンでした。私は建設会社への就職を希望していました。
研究室に寝泊まりするほど没頭していたので、望んだ道に進めると信じて止まなかったのですが、いざ建設業界を中心に就活を始めてみると、「うち、女の子いらないんだけど」と言われることがすごく多かったんです。
説明会でも、終了後に女性社員の方が追いかけてきて、「真剣に話を聞いていたから今のうちに本当のことを話すけど、うちの会社は女の子だと給料は安いし、望んでいるキャリアが描けないと思うよ。説明会では言えなかったけど…」と苦しそうに打ち明けてくれたこともありました。当時はまだ、そんな時代だったのです。
悔しかったけど、そこで腐りはしませんでした。人をラベルで判断せず、もっと「個人」として見てもらえる場所で働きたいし、世の中がもっとそうなったらいいのに。そんな思いからHRに興味を持ち、リクルートHRマーケティングに入社しました。
ーそこからは、HR一筋ですね。
はい。求人広告の営業からスタートしましたが、最初はなかなか仕事がうまくいかなくて。自分自身も斜に構えていたこともあって、営業成績は散々なものでした。3年目ぐらいに心を入れ替えてやっと調子が出てきた頃に、リーマンショックがありました。大幅なリストラが断行され、その時たまたま好調だった自分は残れることになったのですが、私よりずっと前からコツコツと頑張っている仲間が会社を去らねばならなくなり、その事態に違和感を覚えたんです。
もう一つ違和感があったのは、求人広告の営業職は、企業から「なんで採れないんですかね?」と相談されても、「ここの写真変えてみませんか?」みたいな提案で終わってしまいがちなこと。それがあまり本質的ではないように感じ始めていたので、これを機に企業の採用人事を目指してみようと考えました。
ーそこで2社目のベンチャー企業に転職されたんですね。
リーマンショックの真っ只中で、さらに経験者募集の求人にばかり応募していたこともあり、転職も一筋縄ではいかなかったんです。当時の自分は求人広告の営業をしていただけなのに、なぜか自分は採用経験があると思い込んでいて(笑)。でも、そんな私のガッツを気に入ってくださったのが、2社目のベンチャー企業でした。私も社長の人柄に惹かれ、こういう人の仲間を集める仕事っていいな、と思ったんです。そこから、産休育休含めて約12年間勤めました。
印象に残っている仕事は、新卒採用の立ち上げです。社長がやりたいと言い出したのがある年の4月頃。4月なんて、大学4年生は内定が出始めている頃です。普通のやり方では実現できないと思ったので、経営陣と相談し、会社の特長でもあった社内イベントに学生を招待する形式にして全社を巻き込み、6,000人もの参加者を集め、結果的に20名の新卒を採用することができました。その時からずっと、新卒採用が会社の文化として定着しています。
また、社員総会の立ち上げも、大変だったけど楽しかったですね。ちょうど10周年のタイミングで、会社の方針やビジョンを丁寧に共有する場をつくることになったんです。会場を押さえたり、ムービーを編集したり、当日はインカムをつけて、司会と裏方を同時進行でやったり。若いからできたことだと思います(笑)。
ー大活躍だったんですね!仕事のエネルギーはもちろん、会社への愛も感じます。
はい、本当に大好きな会社でした。ずっと骨を埋めるつもりでいたので、12年間、転職なんて考えもしませんでしたね。
転職する人、転職に関わる人の気持ちを知りたい
ーそんな中、なぜLiBに転職したのでしょうか?
会社は大好きだったのですが、自分自身はこのままでいいのかな?という気持ちがありました。というのも、人事としていろいろチャレンジをしてきたものの、大成功したとは言えないなと思っていたんです。例えば上場して、「あの会社、急成長していてすごいね!」みたいになったり、日経ビジネスとかに取材されて組織論を語ってみたり(笑)、そういう自分の中でイメージを描いていた「すごい人事」にはなれなかったな、と。
そう思い始めたのは、育休復帰の頃でした。子どもを育てることで価値観が大きく変わり、仕事への向き合い方も変化しました。以前のようなパワープレイはもうできない中で、私はこのままこのポジションに居座り続けていいのかな?と思うようになったのです。アップデートされない古い人間が人事をやっているのは会社のためにもよくないし、自分にとっても「キャリアの消費」なのではないか、と。
新しいチャレンジを求めて転職活動を始めてみるも、やっぱり私の手持ちのカードだけでは人事として転職するのが難しいことがわかりました。しかも週4勤務の正社員を希望していたので、まぁ落ちる落ちる…。「週5フルタイム」じゃないと、やる気があると思ってもらえないんだな、と痛感しました。
そんな時に、前職の友人がLiBに転職したという話を聞いたのです。LiBという会社については、人事として営業を受けたことがあり、よく知っていました。ちょうどリファラル採用を強化しているとのことだったので、話を聞いてみることに。そこからはトントン拍子で進み、入社を決めました。
ー採用人事ではなく、人材紹介のコンサルタントとしての新たなスタートですね。
そうですね。採用や組織づくりについて、ちょっと机上の空論になっていた部分もあるので、現場でインストールし直したいなという気持ちがありました。現場で仕事をする人、転職する人、転職に関わる人の気持ちをきちんと知りたかったんです。
ー入社してみて、いかがでしたか?
良い人ばかりだという話は聞いていましたが、その想像の通りでした。皆さん大人で、人として成熟している方が多いなという印象でした。
でもフルリモート勤務は初めてだったので、ちょっと苦労しました。リモート自体は経験があったので特に不安は感じていなかったのですが、LiBの皆さんのSlackでのコミュニケーションスピードにはびっくりしましたね。「なんでみんなこんなに早くコメントできるの?文字打つのはやっ!」って(笑)。今はもうだいぶ慣れました。
意思決定に必要な情報は、経営者の頭の中にある
ー現在のお仕事について教えていただけますか?
「LIBZ 幹部ドラフト」で、経営の意思決定に関わるようなハイレイヤーの方々の転職を支援するコンサルタントをやっています。
印象に残っている案件は、入社後に最初に面談をした方です。非常に優秀な方で、多数の会社から引き合いがあるような方でした。ただ、前職で10年以上勤めていらっしゃったこともあり、転職すること自体を重く捉えていたのかもしれません。つい辞める理由を長くお話してしまう傾向があり、いくつかの会社の選考でお見送りになってしまいました。
それは無理もないことで、今は転職に対する価値観もさまざまで、「確固たる理由がないと転職すべきではない」と考えている方もいれば、逆に「転職を前提にキャリアをつくっていくのもよい」と考えている方もいます。価値観が混在する中では、伝え方ひとつで思いもよらぬ印象になってしまうこともあります。そこで私から客観的なアドバイスをして、端的にお話しするように意識していただいた結果、そこから好調になりました。
最終的にはLiB経由ではない会社にご入社を決められたのですが、「あの時アドバイスをいただいてよかった」と感謝のお言葉をいただきました。自分を客観視する重要性はどんなレイヤーの方でも同じなんだな、と私自身とても勉強になった案件でした。
ーアドバイスをするのも、勇気が要りましたよね。
そうですね。でも、人のコミュニケーションってものすごく曖昧で、「伝わっているつもり」「わかっているつもり」がどうしてもあると思うんですよね。だからこそ私たちの介在価値があると思っています。そういうちょっとしたコミュニケーションの「ズレ」みたいなものを、私たちが整理していけたらいいなと思っています。
一方で、LIBZ 幹部ドラフトだからこそ実現できたご支援もあり、こちらも印象に残っています。LIBZ 幹部ドラフトは、システムの中で社長や経営陣が候補者の方に直接アプローチできるのが大きな特長ですが、そこで運命の出会いがあったのです。
候補者の方が社長様とお話ししたとたん、企業のイメージが応募前とは大きく変わり、その企業が描く未来に非常に感銘を受けて、そのまま意志決定をされました。それとほぼ同時に社長様の方からもご連絡をいただき、「運命の人に出会えた」という言葉をいただいたのです。
企業の経営課題や戦略などは、ほとんどはHP等には書いておらず、経営者の頭の中だけにあるんですよね。ですから、早い段階で経営者と会話ができるかどうかは、特にハイレイヤーの方にとってはすごく大きいんです。意思決定に必要な情報にいち早くアクセスできるというのは、LIBZ 幹部ドラフトならではのUXだと思います。
週4勤務を組み合わせる、自分なりのベストバランス
ー今の働き方についてですが、月の半分を週4勤務にされていますよね。
はい。「週5」って古くからのスタンダードだと思うのですが、単純に多いよな?と思っていて。でも今の世の中はまだ、時短勤務も週4勤務も、何かの事情や理由がないと選択ができない雰囲気がありますよね。私はあまりそれに賛同できなくて。
私はものすごく仕事が好きなのですが、一方で仕事は人生の1つの要素に過ぎないと思っています。「LiBの高山」だけが私ではないし、娘の母親として私だけでもないし、妻としての私だけでもない。「個人」としての私がいます。その中で「週5フルタイム」は、自分のペースではバランスを取るのが難しいなと思ったのです。ここのバランス感覚は、本当に人それぞれですよね。
「週5だから事業にコミットしている。週4だと少しそれが薄い」みたいな価値観は、今後どんどん変わっていくと思います。でもこういう考え方を受け入れてくださったのは、今回の転職ではLiBだけでした。これからはもっともっと、多様な働き方が世の中に広がるといいなと思っています。
ー育児との両立は、何か工夫をされていますか?
娘は今もう5歳なので、子育てと仕事の両立にも慣れてきました。心がけているのは、何でも娘によく話すということです。LiBに転職するときも、「ママ新しいチャレンジをしたいんだ。少し大変になるかもしれないけど、どう思う?」と相談しました。そうしたら「お金がたくさんもらえるの?なら頑張って!」って励まされちゃいました(笑)。
LiBでの仕事は、娘がこれから生きていく社会を良くするための仕事だと思っています。今後もし「ママは仕事ばかりで寂しい」と言われるようなことがあっても、娘の未来の社会に貢献していると思えたら、自分自身が納得できる気がして。これも、LiBに決めた理由の一つでもあります。
ーステキなお母さんですね!オフの日はどう過ごしていますか?
家族で公園に行ったり、ボードゲームをしたり。ママ友ファミリーと遊ぶこともあります。家族全員アニメが好きなので、のんびりテレビを見て過ごすこともあります。基本、我が家のテレビではアニメを流しているので、実写の人間が映らないんです(笑)。
こんな人と働きたい
ー 「LIBZ 幹部ドラフト」のチームでは、新たなメンバーを積極採用中ですね。どんな人と一緒に働きたいですか?
チームは本当に良い人が多くて、お互いの仕事の成功を心から喜びあったり、自分が持っているノウハウを惜しみなくシェアしてくれたり、成熟した組織だなと感じます。
新しく入った人がうまくワークするように最大限サポートしてくださる方たちばかりですが、やっぱり大前提、「仕事が好きな人」「志を持っている人」が合うと思いますね。あとは、人が好きな人、DXに関心がある人もおもしろいんじゃないかと思います。
何を言っても受け取ってもらえる安心感のあるチームなので、新しいチャレンジをしたい人は大歓迎です!
高山さんってこんな人!
★仕事でいちばんアドレナリンが出るのはどんな時?
「このまま進んだら難しいよね」というシーン。
仮説検証が好きなので、良い仮説が出る=難しい課題に挑んでいる時にアドレナリンが出ます。
★好きな本を教えて下さい!
原田マハさんの「ユニコーン」が好きです。
今は中島みゆきさんの「三島屋変調百物語」シリーズにはまっています。
読書記録をここ4年くらい、年間30冊ほどゆるーりとつけています。
★高山さんが思う「LiBあるある」を教えて下さい!
コミュニケーションが丁寧だなと思います。ポジティブなリアクションはもちろん積極的だし、
逆に何か指摘をするときも、ワンクッション置いて、相手の気持ちに配慮しているなと感じます。
★高山さんにとっての自分らしい仕事のカタチとは?
時間と場所にとらわれない自由さがありつつも、戦力として頼られるような成果を出し続けること。
まだ未熟なので、成果の部分は発展途上ですが、実現していくために努力したいと思います。
【採用募集】
LiBでは、エグゼクティブコンサルタントを募集しています!
以下より、お気軽にお問い合わせください。
エグゼクティブコンサルタント 兼 サービス開発
https://herp.careers/v1/libcorp/eEPmKgsuA7PL
インタビュー:岡田 麻未(株式会社LiB)
ライティング:高嶋 朝子(株式会社LiB)