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女性がイキイキと活躍できる職場ってどんなところ? ユニークな制度を導入している4社のノウハウ

女性が働きやすいようユニークな制度を導入している企業4社を集め、各社で活躍する女性が、それぞれの取組事例を紹介。またトークセッションでは、それぞれのキャリアの歩み方について語りました。

各社に共通していたのは、「女性に特化するのではなく、男女問わず誰もが活躍できることを前提に制度設計をしている」ということ。具体的な取組みを、レポート形式でご紹介いたします!

 

株式会社オークローンマーケティング
Core Brand Dept. Director 稲垣みずほ 氏

「ショップジャパン」を運営する同社は、1993年に名古屋で創業、現在社員数は約860名。テレビショッピングやイーコマースなどを通して、楽しいショッピング体験を提供しています。海外から発掘した商品を日本で調査し、ブランディング・マーケティングを経て各販売チャネルへ。お客様に商品をお届けするまでを一貫して自社で行っているため、多種多様な部署や職種が存在しているのが特徴です。

そんな同社では、【全社員が活躍できるよう】ひとりひとりが裁量権を持ち、個人の意見を尊重し、「時間や場所には縛られない働き方」を実現。それは、下記の3つのカルチャーの浸透によるものです。

1.パフォーマンス重視の成果主義
(長時間働くことが評価されるわけではなく、成果で評価される)
2.多様性を重んじる企業文化
(年齢・性別・国籍・職歴にとらわれず、お互いを認め合う)
3.ワーク・ライフ・バランスの充実
(お客様のライフスタイルを豊かにするサービスを提供しているため、社員自身もプライベートを充実させる)

そのため、同社の制度は女性特化ではなく、「全社員が活用できる制度であるかどうか」を意識して制度設計されています。

例:独自のフレックス勤務制度 SJマイタイム制度
同社には、クリエイティブチームやITシステムチームなど、定時出勤が業務上フィットしない職種が多数。そこで、コアタイムを含むフレキシブルタイムの範囲内で、始業及び終業の時刻を社員個人の決定に委ねる制度を導入。コアタイムは月1の全社MTGの1時間のみ。

これにより、無駄な会議の撲滅、長期目線でのスケジューリング、部署内でのフォロー体制構築、業務の可視化など、社内全体の時間に対する意識がUP。社員全員が自分で時間管理をし、業務効率化できたことによりパフォーマンスを発揮しているため、家庭の事情や自己研鑽などのために、後ろめたさを感じることなく早く退社することも可能になりました。

同社は、「女性が活躍できる環境」というのは男性女性と線引きするのではなく【全社員が成功できる環境である】という考え。結果として、女性管理職40%と日本平均と比較しても非常に高い数字を誇っています。

 

株式会社サニーサイドアップ
社長室副室長 谷村江美 氏


サニーサイドアップは創業33年を迎えるPR会社。“たのしいさわぎをおこしたい”というスローガンのもと、PRのチカラで人と世の中を動かしています。あの「bills」のプロモーションを仕掛けたのも同社。ホットケーキを「パンケーキ」と呼び、外で朝食を楽しむカルチャーを作りました。
そんな同社には、(サニーにちなんで)「32の制度」というユニークな制度があります。

休みがづらい業界でもあるため、休暇制度は特に充実。誕生日、結婚記念日など、「堂々とプライベートを充実させてほしい」というメッセージが込められています。また、「恋愛勝負休暇」は、実際にプロポーズのために活用し、成功したという幸せな事例も。健康診断がオールAなら32,000円が支給される「A身体(エーカラダ)制度」なども実にユニーク。これも、楽しみながら健康になってほしいという意図があります。

これらは全て、「社員が楽しんで利用できる」「公私共に充実させてもらう」ことを主目的とし、時代の変化などに合わせてブラッシュアップしています。

また社員の55%と女性比率が高いため、女性に特化したものもあります。

例1:プレミアムウーマンデー
国際女性デーである3月8日は就業時間を15時までと推奨し、いつも頑張っている女性メンバーへ感謝を込めて、家事代行サービスやホテルのレストラン招待チケットなど、“ちょっと贅沢な時間”をプレゼント。

例2:Dear Woman
2014年、Facebook社がシリコンバレーでスタートした、「卵子凍結から保存までの費用助成」を、日本企業としていち早くスタート。対象者には、費用総額の30%を負担。働き方だけでなく「生き方」の選択肢を増やすことで、より安心して自分らしい生き方ができるようにバックアップしたいという思いが込められています。この2年で2名活用、検討中社員も多数います。

既にユニークな制度が多数用意されていますが、これからもこのような「社会課題」や「個人のライフスタイル・価値観の変化」に合わせてより良いものを創っていくとのことです。

 

株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 第二本部局長 簑田咲 氏

「AbemaTV」や、インターネットに関する事業を幅広く展開する同社は、創業から20年間で従業員数35人から4,800人にまで成長。様々なフェーズの女性社員が増えたタイミングで、社員の声をきっかけに「CAramel(カラメル)」という、十人十色の働き方を応援する全社・女性横断組織を立ち上げました。

ミッションは、「沢山の女性社員がカラメル(絡める)場をつくる」こと。

女性活躍に関するメディア露出が多い同社ですが、女性比率は約3割、女性管理職は約2割と、まだまだ多いとは言えない数字。そこで、これまでの「THE・サイバーエージェントの働き方」を体現していたいわゆるバリキャリ女性だけではなく、きちんと成果を出しながら自分らしく活躍している新しいロールモデルを増やし、CAramelを通して交流・発信しています。

ニーズが多かったのは、同じ職種同士での交流や、普段業務ではかかわることのない先輩女性社員の話を聞く機会。また、ココロとカラダのメンテナンスに関する悩みも多く声があがりました。そこで、下記を企画。

例:CARA-MESHI(絡める飯)
悩みや、属性別の女性限定シャッフルランチの企画運営

例:社内報(女性誌風のデザイン!)
参加できていない社員のためのイベントのレポート等

例:CA女子のセルフケア塾(セミナー)
外部の先生を招き、「自律神経」についてのセミナーイベントを実施

すべて、社員からも非常に好評でした。
運営メンバーは、これらのイベントと通常業務との両立が課題でしたが、オリジナルグッズを創ったり、メンバーの選抜感を醸成したり、経営陣から注目される機会を設けたりするなど、さまざまな工夫によってコミットメントを保ちながら継続しています。

社員全員にアプローチすることは難しい、だからこそ重視してるのは運営メンバー20名。
社内で応援されて目立つ女性たちが、イキイキと自分たちで環境を作っているということが、全女性社員、ひいては男性社員にまでポジティブな影響をもたらすことができたそうです。

 

株式会社LiB
副社長 永井裕美子

LiBは、「生きるをもっとポジティブに」をミッションに掲げ、あらゆる人のポジティブな自己実現を応援している会社です。1stビジョンとして、まずはこの国の社会課題でもある女性活躍推進に向けて、働く女性のライフキャリア支援を行っています。

そんな事業テーマに挑んでいる私たちだからこそ、働き方の柔軟性には意思を込めています。女性だけでなく、それぞれのライフスタイルや価値観に合わせて働き方を選択できる状態を目指し、柔軟な雇用形態や働く時間・場所、子育て支援など、様々な工夫をしています。

例1:雇用形態
– 週4勤務や時短勤務の正社員
– より柔軟な勤務形態のキャリアフレックス社員
– 正社員同等のインセンティブが受けられる業務委託メンバー

例2:働き方
「男性も女性も」「家庭と仕事を両立できる」働き方を応援
– フレックスを活用して毎日送り迎えを担当している、男性営業マネージャー
– 夫の単身赴任を機に週4勤務に切り替えた広報ママ
– 週2日リモート勤務し、その日は家事と育児を全てこなす男性社員
– 週5日フルリモート勤務し、家族の看護と両立しながら情シス業務を担う男性社員

例2:ファミリーサポート
– 家族の誕生日や記念日、学校行事など、「ここ一番」という日に活用する特別休暇
– 社員と家族が交流し、子どもたちにもパパママの仕事を応援してもらうファミリーデー
– いつでも子連れ出勤が可能!おもちゃやベッドを完備したキッズルーム

このように、社員がライフとキャリアを思いっきり楽しみ、家族に応援されながら自分らしく働けるような雰囲気が会社全体にあります。

制度としては特別ユニークというわけではないですし、まだまだ整備が必要な部分もありますが、LiBのカルチャーとして創業以来大切にしているものです。私たちがこのフレキシブルな働き方を実現しながら成長を続けることで、ライフとキャリアの両立に対してポジティブな価値観が広がっていくことを願っています。

【参考】トークセッション&質疑応答
それぞれの取組み紹介のあとは、「キャリアの歩み方」「仕事とプライベートの両立」をテーマにした登壇者のトークセッションや、参加者からの質疑応答を行いました。一部の声を抜粋してご紹介します。

◇キャリアアップをする際に大切にしていることは?

「キャリアアップより、スキルアップや知識のアップデートを大切にしています。会社がどんどん成長していく中で、今必要なスキルをどれだけ所有することができるかを考え、『これができるようになったら、必要な人材として認めてもらえる』という感じで日々業務に取り組んでいます」(稲垣氏)

「自分自身も成長しながら貢献できる領域を広げたり進化していきたいという思いで、「今日をまず頑張る」ことを意識してきました。2度の出産後も、育休は取らず在宅勤務で復帰。キャリアアップを意識したことはあまりないですが、『本当に仕事が好きなんだね』とよく言われます」(谷村氏)

「私はキャリアアップを明確に意識してきました。30歳までに事業責任者のようなポジションに就くことを目指しているので、常に成長できる環境に自分を置けているかを大事にしています。『失敗してでも、常に身の丈以上のジョブサイズに挑戦する』ことを忘れず、常に上司の目線で仕事ができているかを大切にしています」(簑田氏)

「ライフプランはありますが、キャリアプランは考えたことはありません。自分が興味があること、貢献できることは何かを常に意識してきました。難しいと思うチャレンジも、何か特別な理由がない限り断らないというスタンスで、自分よりもまず、上司やその仕事を任せてくださった方を信じることにしています」(永井)

◇仕事とプライベートを充実させる工夫は?

「仕事とプライベートのスイッチをしっかり作るようにして、会社を出たらなるべく仕事のことを考えないことにしています。会社では旧姓を使っているので、仕事とプライベートで苗字が違うのも良いスイッチになっています。」(稲垣氏)

「忙しい社長直下で働いているので、私は逆に、仕事とプライベートを区切りすぎないことがモットーです。オン・オフという発想をなくし、いつ連絡が飛び込んできても大丈夫なようにしている。育児も、仕事中に対応が必要なことが多々ある。柔軟に『公私融合』で臨むのが、ストレスを溜めない私流の両立スタイルです」(谷村氏)

「仕事が好きだからこそ、仕事以外の時間をつくることを意識しています。インドア、アウトドアを含め、土日は楽しみな予定を入れ、平日も、漫画やドラマ、読書など、30分でもいいので何かしら仕事以外の時間を作るようにしています」(簑田氏)

◇どうしても会社に行きたくない時の乗り越え方は?

「自分で悩みすぎずに、信頼できる誰かに相談をすることが大切だと思います。私の場合は、仕事で上手くいかなかったときに上司に相談し、最適なアドバイスをもらえたことで、やり方が変わり前向きな気持ちになれました」(簑田氏)

「仕事の準備不足が理由の時には、仕事を頑張る!仕事のプレッシャーは仕事で勝つように意識しています。人間関係が理由の時は、人間観察をするつもりで、なぜこの人はこういう考えをするのだろうと客観視するよう心がけています」(永井)

◇専門性がなく、今後のキャリアについて迷った時の対処法

「ターニングポイントはマネージャー(管理職)に昇格したときです。自分個人の業務の達成だけではなく、チームメンバーが育つことに喜びを感じたし、結果的に商品が売れていく経験を通して、新たなやりがいを得られました。」(稲垣氏)

「私も同じ悩みがあったので共感します。特別にやりたいことへのこだわりがない中で、『人の役に立ちたい』ということだけは常に考えていた。そういう自分を認めた上で、今は「究極のジェネラリスト」を目指したいと思っています。」(谷村氏)

イベントレポートは以上です。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました。
LiBzCAREER(現LIBZ)では、今後も定期的に働き方やキャリアについてのイベントを開催していきます。

 

(この記事は2020.03.24に公開されたものです)

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