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採用は、もっとおもしろくなる!推薦数が2倍になるという噂の新規事業「LiBのRPDサービス」に込めた想い

2022年5月よりβ版としてサービス提供を始めた新規事業、「LiBのRPDサービス」。「PRD」とは、Recruitment Process Development の略。「RPO」が Recruitment Process Outsourcing =アウトソース(外注)であるのに対し、PRDはクライアント企業様ごとに採用力を開発するサービスです。既に複数社のプロジェクトが走り、新たな兆しが見え始めているそう。この事業に込めた想いや、LiBのサービスラインナップの中での位置づけについて、プロジェクト責任者の江成に話を聞きました。

株式会社LiB RPDサービス責任者 江成 充
PROFILE
株式会社LiB RPDサービス責任者 江成 充
インテリジェンス(現パーソルキャリア)に新卒入社後、人材紹介の法人営業・キャリアアドバイザーを経て東海エリアのキャリアアドバイザー領域のMGRへ。その後、求人広告・転職フェア・doda Recruiters(DR)などを活用した転職メディアdodaの営業マネジメントへ異動。最初の転職を5ヶ月で失敗した後、2018年ダイレクトリクルーティングメディア「LiBzCAREER(現LIBZ)」の営業責任者としてLiBに入社。2021年夏に女性に特化した社外取締役の就任支援サービス「LIBZ 女性ボードサーチ事業」を立ち上げる傍ら、複数社の採用力向上支援に携わったことをきっかけに本サービスを起案・サービス立ち上げに従事。

なんで立ち上げたの?

ー まず、サービス立ち上げの背景からお聞かせいただけますか。

LiBは2022年の2月に女性のキャリア支援事業から、個人と企業のワークシフト支援事業へとリブランディングを行いました。

私がLiBに入社を決めたきっかけのひとつに、結婚を機にさまざまなキャリアの壁にぶつかって悩む妻を見てきたことがあります。私は新卒の頃から一貫して、「目の前の仕事を楽しめる人」を一人でも多く増やしたいと思って仕事をしてきました。でも、女性の「働く」には課題があまりにも多いことを痛感。その解決にチャレンジしたくて、LiBを選んだのです。

それから数年経ち、コロナ禍をきっかけに、働き方の柔軟性は男女問わず求められるものとなりました。LiBがリブランディングをして、「ワークシフト」を新たなテーマに掲げることになったのもそのタイミングです。

実はその頃、実家の父が倒れるなど、プライベートで大きな変化がありました。超高齢化社会が進む日本において、「働き方」の問題はもはや男女を問わないテーマであることを実感。ダイレクトに自分事になったことで、「ワークシフト」という事業ミッションに強い思いを抱き、自分に何ができるか考えるようになりました。

そんな中、LiBではワークシフト支援室という新規事業チームが編成されました。そのタイミングで営業部長の役割を信頼できる仲間に託し、自らも新規事業チームへ参画。企業が時代の変化に適応していくために必要なサービスを皆で検討する中で、私が挙げた案の一つが、「LiBのRPDサービス」だったのです。

ー 「ワークシフト支援」のためのアイデアの一つだったんですね。

ちょうどその頃、さまざまな企業の人事の方に話を聞くと、eNPS(Employee NPS=従業員ロイヤルティを数値化する指標)のスコアが人事部門が最も低い傾向があることがわかりました。人事の皆さんはホスピタリティの高さゆえに板挟みに苦しんでいる人も多く、さらに煩雑すぎるオペレーションに追われ、本来やるべき仕事や、社員が仕事を楽しむための仕掛けづくりなどまで手が回らないのが日常茶飯事でした。本来、人事はとてもおもしろく、クリエイティブな仕事のはずなのに…。

さらに、長年人材紹介に携わってきた経験から、エージェントの皆さんも、日々のKPIやオペレーションに忙殺されていることを知っていました。でもこれは、KPIの置き方さえ工夫すればいくらでもおもしろくなる方法がある、というのも自身の経験からわかっていました。

世の中の価値観はどんどん変化していくのに、人事に負荷がかかり続けてしんどくなってしまうのは、きっと協働するエージェントもしんどい思いをしているからなんじゃないか。だったらその両者の間に入って、採用の仕事がおもしろくなるような成果の出し方を一緒に考えたい。企業のワークシフトを進めるためにはまず、適切かつクリエイティブな採用活動を支援していくべきなんじゃないか。そう考えてつくっていったのが、「LiBのRPDサービス」なんです。

 

どんなサービス?

ー ではさっそく、そんな「LiBのRPDサービス」がどんなものなのか教えてください。

ざっくり言うと、下記のとおりです。

現状は1000名以上の大手企業もプロジェクトでご一緒していますが、サービスのメインターゲットは、社員数50〜200名程度のベンチャー・中小企業です。採用力向上を目的とし、採用ノウハウを提供しながら採用成功実現に伴走します。具体的には、人材紹介エージェントのマネジメントをサポートします。週に1回定例ミーティングをオンラインで開催し、企画/実行支援に加え、必要に応じてオペレーションサポートもします。

対象となる企業は、下記の通りです。

ー 採用力向上のHowとして、なぜ人材紹介エージェントマネジメントに絞ったのですか?

企業規模を問わず、多くの企業にとってメインの採用チャネルが人材紹介だからです。調査によると過半数を占めています。つまり人材紹介は、「効果的に活用したいにもかかわらずうまくいっていない採用手段」の代表だとも言えるんです。その課題を解決するためのHowを、サービス化してみたいと思ったのです。

つまりLiBのRPDサービスは、人材紹介を使いこなせていないスタートアップや中小企業のための、「人材紹介経由の採用を劇的アップデートするサービス」なのです。

よくRPOサービスとの違いを聞かれますが、まず目的が大きく異なります。RPOの主たる目的は工数のアウトソース、削減です。それに対して、LiBのRPDサービスは、エージェント・従業員へのサーベイを通じて自社の魅力と課題を客観視し、その上で最適な採用プロセスを開発するサービスです。そして、自社ならではの採用成功をした後にそれを型化し、ノウハウとして納品します。

プロジェクト終了後の状態も大きく異なってきます。LiBのRPDサービスの場合は新しいノウハウと確立された最適なオペレーションが残るので、クライアント企業様は私たちの伴走がなくなったあとも自走ができる状態になっているのです。

 

両者とも「短期の採用目標達成」という点では共通していますが、中長期の採用力向上まで狙えるのがLiBのRPDサービスなのです。例えるなら、目の前の受験合格だけじゃなく、その後、自ら勉強を続ける方法や学ぶ楽しさまで教えてくれる塾みたいなイメージでしょうか。

ー LiBのサービスラインナップの中での位置づけは、どんな感じなのでしょうか?

LiBのメインサービスは、「LIBZ」というブランドを掲げる採用サービスです。これは、人選という支援で企業の採用活動に直接アプローチする、西洋医学的なソリューションだと言えます。

それに対して、さらに根本の課題に迫るのがRPDサービスです。採用活動がうまくいかないという課題をさらに分解すると、主に「採用を成功させるノウハウがない」「採用を成功させる工数がない」「採用を成功させる土壌がない」という3つに整理されます。これらにアプローチして、根源治療をし、体質を改善する。言わば東洋医学的なソリューションです。

LiBのミッション「1人の可能性を どこまでも活かせる仕事のカタチをつくっていく。」の実現には、西洋医学的な採用支援と、東洋医学的なワークシフト支援の両方が必要だと考えているのです。

 

具体的に何をしてくれるの?

ー では東洋医学のRPDサービスは、具体的にどんなことをしてくれるのでしょうか?

大事にしている思想は、対面の担当エージェントに感情的に「がんばろう」と思ってもらいつつ、仮にその担当が変わってもずっと注力してもらえるような仕組みを作っていく、ということです。

基本は6か月間のプロジェクトで、週に1回定例ミーティングを行い、人事と担当エージェントのコミュニケーションの間に入ります。お見合いの仲人さんみたいな立ち位置ですね(笑)。そこで課題を特定して、打ち手を一緒に考え、実行していきます。

例えば、各エージェントのマッチングロジックに合わせた工夫や求人票の見直しなどのシステムハックから、採用プロセスの見直しの提案、社員やエージェントへのサーベイによる採用課題の洗い出しや改善ポイントの提案、実現のためのコストシミュレーションまで、そのクライアント企業様のニーズに応じたソリューションを提供します。

実際にご利用いただいているA社様は、サーベイによって、選考プロセス上のネックが重ための適性検査であるということがわかり、より簡易なものにリプレイスしていただきました。またB社様の場合、面接回数を減らし、それぞれの面接で見極める項目を変更しただけで、推薦数が爆増しました。

ー サーベイによって、採用活動のフローがアップデートされたわけですね。

はい。大事にしているのは、客観データによる分析です。私たちからのご提案は、感覚でもないし、「べき論」でもないし、他社の採用トレンドの真似を推奨するものでもありません。

LiBのRPDサービスでは、クライアント企業様が一生懸命考えた選考プロセスや成功体験を尊重しながら、より再現性の高い「採用成功力」をつけるための最適なご提案をしたいと考えています。そのためには、クライアント企業様が納得の上で適切に判断してもらうための客観データが重要なのです。

客観データによる分析を積み重ねることは、私たちLiBにとっても、属人的なサービスになりすぎないという大きなメリットがあります。新規サービス拡大という観点からも非常にこだわっているポイントなのです。

 

どんな事例があるの?

ー ほとんどのクライアント企業様がプロジェクトの期中かと思いますが、ご紹介できる事例があれば教えていただけますか。

C社様の事例をご紹介しますね。サービス導入時に抱えていたお悩みは非常によくあるケースで、母集団形成をしたいがエージェントからの推薦が増えない→だからスカウトをたくさん打たなければいけない→しかし人事のマンパワーがパンパンでなかなかそれに割ける時間もない…というものでした。

同社はスタートアップゆえに、採用ポジションや対象がスピーディに変化をしていきます。しかしそれを担当エージェントに十分に共有できていないことがわかりました。そのためエージェントとしても注力ポイントがわからず、あまりシャープではない推薦をしてしまい、当然なかなか決定が出ないので、ますます注力しにくい状態になる…というデフレスパイラルに陥っていました。

その課題に対して、下記のような打ち手をご提案しました。

① 最もHOTな求人に絞ってエージェントに注力してもらう
② そのための情報を整理してエージェントと連携する
③ エージェントが注力しにくいと思っているポイントの本音をもとに改善する

この3点に対応する形で、今まさに動いている活動は下記です。

① 採用部署の責任者のヒアリングを実施して、応募対象をチューニング
② 注力ポジションについての情報をエージェントにインプットし、担当者の理解度を上げていただく
③ エージェントの本音アンケートを実施。改善要望を集め、適宜修正していく

 

これにより、採用プロセスの大幅な改善を実施。エージェントからの推薦数が2か月間で2倍になり、エージェント経由の決定は4か月間で前4か月の4倍になりました。

プロジェクトスタート時には、エージェントの本音アンケートで同社に注力してくれてるエージェントは1社しかありませんでしたが、今では4社まで増加しています。

 

今後の展望は?

ー 兆しが見えていますね!始まったばかりではありますが、今後どうしていきたいと考えていますか?

立ち上げの背景でもお話したとおり、多くの人事の方やエージェントの方とコミュニケーションをしてきた自分だからこそ発案できたサービスであることは認識しています。ただ、それではあまりにも属人的で、拡大していきません。ニーズや手ごたえはたしかにあるので、自分じゃなくても一定の品質のソリューションを提供できるよう、LiB独自の客観データを武器に、再現性のあるサービスに昇華させたいと考えています。今はβ版として試行錯誤していますので、とにかく成功事例を積み上げていきたいですね。

また、こういった採用支援をしているサービスがあると、人材紹介エージェントは嫌がるのが一般的です。しかし本サービスでご一緒しているエージェントの方は、むしろ一緒に伴走することを喜んでくれる節すらあります。これはとても意外なことでした。これからも企業の最適な採用プロセスの開発に協力いただけるエージェントの皆様と、どんどんタッグを組んでいきたいと思います。

繰り返しになりますが、採用は本来、とてもおもしろい仕事です。しんどい作業、無駄なオペレーションをできる限り軽減して、HRに関わる人が本来向き合うべきクリエイティブな仕事に使う時間を増やしたいと思います。そこから社内の労働環境も整備されて、時代の変化に対応できる「企業のワークシフト」が進むことを願っています。

 

>>サービスについてより詳しく知りたい方はこちらからお問い合わせください
lib.rpd@libinc.co.jp (「LiBのRPDサービス」事務局)

 

インタビュー・ライティング:高嶋 朝子(株式会社LiB)
撮影:仲田 光希(株式会社LiB)

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