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~Deep Dive into HRシリーズ 第1弾ウェビナーレポート~人材紹介経由の採用を増やすたった3つの方法

LiBでは、「人材紹介経由の採用を増やすたった3つの方法」と題し、キャディ株式会社 HR Managerの鄒様とHRの永田様をお招きし、中途採用に課題を抱える企業の人事担当者様を対象にしたウェビナーを11月16日(水)に開催しました。

 

本ウェビナーでは、新しい取り組みの発信により多くのIT/Web系企業からベンチマークされてるキャディ株式会社の採用活動の工夫やリアルな実情について、「LiBのRPDサービス」責任者の江成が話を聞きました。

キャディ株式会社 HR Manager 鄒 潮生 氏
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キャディ株式会社 HR Manager 鄒 潮生 氏
新卒ではEC事業者向けパッケージソフトウェアのエンジニア→人事を経て独立。人事コンサル・転職エージェントを経営したのちに、やはり人事がやりたくなり2020年にSansan入社。採用マネージャーとしてCxOクラスの採用および全社の新卒・中途採用をリードした。2022年7月1日、キャディ株式会社にビジネスサイドの採用マネージャーとして入社。
キャディ株式会社 HR 永田 一真 氏
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キャディ株式会社 HR 永田 一真 氏
新卒で人材採用・教育支援を行う、リクルート代理店に入社。セールスとして、東海地方の大手メーカー〜町工場まで計500社程度の顧客を担当。新規開拓、カスタマーサクセスに従事したのち、エンタープライズ領域セールスチーム、新規事業開発室の立ち上げ兼責任者を担当。2022年7月にキャディ株式会社に入社。サプライパートナーサクセスで入社予定から一転、HRとして国内のエージェントチャネルのリードを担当。
株式会社LiB RPDサービス責任者 江成 充
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株式会社LiB RPDサービス責任者 江成 充
2006年インテリジェンス(現パーソルキャリア)に新卒入社。人材紹介の法人営業・キャリアアドバイザーに従事。求人広告「doda」の営業マネジメントに従事する傍ら、新サービス(管理職1on1研修・採用面接官トレーニング)も企画。2017年より採用責任者・人事向けに1か月に9本のセミナーの企画・登壇。2018年LiBに入社。2021年夏に女性に特化した社外取締役の就任支援サービスを立ち上げる傍ら、複数社の採用力向上支援に携わったことをきっかけにRPD(Recruitment Process Development)サービスを立ち上げる。

1.アンケートで自社の採用力を客観視

江成:御社の採用活動は多くの企業様からベンチマークされているぐらいですから、それはそれは順風満帆なのかとお見受けしますが…

:いえ!実は全然そうではなくて、採用計画はずっとショートしていました。採用人数も多く、採用基準も高いので、母集団不足や承諾率の低さなど、課題は山積みです。

江成創業5周年のサイト等を拝見するに、てっきり順調なのかと思っていましたが、裏側は大変だったんですね!

:事業が5〜6倍と伸びている中で、いきなり人数も5〜6倍にしようと思っても難しいですからね。人事としてどう支えられるか、日々苦心していますよ(苦笑)。

江成:現場からもプレッシャーを受けているんですね。お二人は2022年の7月に入社されていますが、そんな苦しい状況の中で、改善に向けて取り組まれたことをお聞きできればと思います。まず、人材紹介エージェントのマネジメントはどう工夫されましたか?

:数字だけを見ると、スカウトはすでに頑張っていました。一方でエージェントに関してはまだまだ伸びしろがあると判断し、改めて力を入れることにしました。まずは現在地を把握するために、エージェントの皆さまにアンケートをお願いしました。

江成:エージェントの皆さんは、本音で回答してくれるものなんですか?

:自分がエージェントをやっていたときは正直、こういったアンケートは忙しくてスルーしてしまったこともあります(苦笑)。そのぐらいエージェントの皆さんの忙しさを理解しているので、私たちの気持ちが伝わるように丁寧に目的を共有しました。

「採用成功のために本気で変わりたいと思っている。そのためには忌憚のない意見が必要だ」ということを、機械的なメール文章ではなく、人と人との関わりとして真剣にお願いしました。すると皆さんけっこう本音で回答いただけた感じがします。

江成:なるほど。その結果、エージェントから敬遠されていたことがわかったのですね。アンケートの回答で応募が取れない理由として挙げられている「製造業中心のビジネスだと、その後つぶしが効かない」等はとてもリアルな声ですね。このあたりを知って、どう感じられたのでしょうか?

:正直、自分がエージェントでもキャディは注力しづらいとは思っていました。採用基準が高くて決まらない、ポジションもユニーク…とくれば、相当FeeUpしないと注力対象にはならないだろうという仮説があったので、このあたりの結果に驚きはありませんでした。

ただ、面談のクオリティについてのご意見は耳が痛かったですね。特に、代表の加藤の最終面接に対するご指摘を非常に多くいただきました。能力を見極めるためにケース課題を実施するのですが、そこで詰められていると感じられてしまうこともあったようで…。

加藤の人柄は魅力的である一方で、最終面接などの真剣な場ではどうしても、戦略コンサルタント時代の顔が出てきてしまうようです(笑)。

江成:なるほど。アトラクトというより、アセスメントが強いと感じられる面接だったんですね。お二人が参画される前にエージェント向け資料として活用していた書類選考基準の資料も拝見しましたが、だいぶギラギラしていましたね(笑)。

:改めて見ると、正直ちょっと感じが悪いですよね(笑)。当社は学歴を重視しているわけではないのに、そういう印象を与えてしまっていました。

江成:学歴は、ロジカルさや地頭の良さを見るための一つの参考指標として活用されていたのだとは思いますが、実際はそれだけではないですよね。

:当社には実際に、高卒で活躍している人もいます。「キャディ=高学歴」みたいなのは描いていることと違っていたので、意識して改善しました。

こういう細かい点も含め、「アンケートを取って終わり」ではなく、一つ一つ変えていくことが大切だと思っています。そして、一つ一つのコメントに対して丁寧に返信しました。エージェントの皆さんが大切な存在であるということを伝えたくて、最初が肝心だと思って気合を入れてやりましたね(笑)。

江成:応募承諾が取れない理由をアンケートで確認したのはなぜですか?

:キャディの求人票を候補者様に見せた時に断られる理由を把握して、それに対してどういう返し方をすればよいかを整理したかったんです。

例えば前職Sansanでは、求人票を見せるだけだと、「名刺管理は興味ないです」と言って断られることが多いんです。そこでエージェントの方に「あれは名刺管理というより、本質的にはデータビジネスで…」と語ってもらうことができるかどうかで、応募の数が変わってくるわけです。

キャディの場合も、「製造業をDXしている会社です」で終わるのではなく、なぜ面白いのか、なぜあなたにマッチすると思うのかを、エージェントの方に語ってもらえる武器をつくってもらう必要がありました。だからまず「断られる理由」の調査をしたのです。

江成:なるほど。改善要望についてもアンケートで取られていますが、この点で気になったポイントは?

永田:「特になし」が一番多かったのが辛かったですね。キャディにそもそも興味を持っていただけていないのかな…と。

江成:確かに、本当に改善要望がない状態であれば、とっくに注力されているはずですからね。まずは興味を持っていただくというのが必要、ということですね。

:そうですね。意見や指摘をしてもらえるのって、実はすごく重要なんですよね。ご指摘いただいている面接体験なんかは、1~2分の遅刻や、移動しながらの対応などがネガティブな印象だったというお声が多くて。そこは素直に謝り、社内にも共有して啓蒙し、すぐに改善をしました。結果、面接に関するご意見は減ってきていますし、ご指摘をくださったエージェント様からのご紹介も増えています。「意見を聞いて終わり」ではなく、それを起点にコミュニケーションを取ったのが良かったのだと思います。

江成:なるほど。アンケート調査でなくとも、何かご意見をいただいた時にすぐに改善をすると、その後もタイムリーなコミュニケーションができそうですね。

さらに、「採用のスタンス」をエージェントに共有した、という取り組みもありますが。

:はい。エージェント説明会の自己紹介資料を丁寧に作りました。キャディのValueの一つに「至誠を貫く」というのがあるのですが、採用でもこれを規範としたスタンスにします、という内容です。候補者様への感謝はもちろん、ご紹介してくれるエージェント様へも感謝の気持ちを持ち、一緒に議論できる対等なパートナーとしてお付き合いしていきたい、というメッセージです。

これは社内にも共有して、面接官だけでなくオペレーションを担当している人にも、候補者様・エージェント様へのリスペクトを持ってやりとりしてもらうよう徹底しました。

江成:ここまでの取り組みをまとめると、アンケート等でさまざまなご意見を聞いて、自社の採用力を客観視し、素直に改善した上で自社の採用スタンスを共有した、ということですね。

 

2.選考体験を丁寧にアップデート

江成:2つめのポイントとして、選考体験をアップデートされたようですが、まず書類通過理由を非常に丁寧にフィードバックされているんですね。

永田:候補者様にキャディを紹介して応募承諾を取り、推薦してくださったエージェントの方が何を知りたいかを想像したときに、「その方がどう評価されたのか」「どんなポジションに向いているのか」を一番知りたいだろうなと。私たちとしてもそこを正しく把握してもらうことは重要なので、現場からもらったフィードバックを丁寧に伝えることを徹底しました。

江成:現場からのフィードバックを確実にもらうために、どんな工夫をしていますか?

永田:自分はセールス出身なので、わりと遠慮なく聞きに行けちゃうんですよね。そうじゃなくても、現場の方も協力的なことが多く、スムーズに返してもらえていました。ただその濃度は部署によって差があるので、必ず自分の所見もセットで事業部に共有していました。

書類のフィードバックをこれだけ丁寧にやっている会社はなかなかないんじゃないかな?と思います。エージェント様の体験も良くなるんじゃないかな、と思って始めてみました。ちなみに永田は人事の経験がないので、このぐらいやるのが普通だと思っています(笑)。

永田:おかげさまで、一番大切なことに素直に向き合えたのでよかったです(笑)。

江成:私もエージェント経験がありますが、一緒に可能性を探ってくれる感じがして嬉しいんですよね。この取り組みの効果はどんな感じでしたか?

永田:ほとんどのエージェント様が熱量高く返信をくださるようになったので、効果は感じています。次のご紹介の際にも、「この方はどうでしたか?」と聞いてくださるようになりました。コミュニケーション量が増えたことが良かったですね。

ただ、「明日すぐ効果が出るもの」ではありませんでしたね。手ごたえを感じるまでに、やり始めてから3週間〜1か月間はかかりました。エージェント様としても、スカウトや面談を経てから推薦するので、やっぱり「キャディいいかも」と思ってから3週間くらいはかかってしまいますよね。

江成:面談の内容もアップデートされたようですが。

:現場の皆さんが意外と、面談と面接の面接の違いを理解できていなかったんですよね。特に代表の加藤や事業部長が「カジュアル面談」と「面接」の違いがわかっていなかったので、つい論理的に問うようなコミュニケーションを取ってしまう傾向があって(笑)。

だからまず、今の転職市場は超売り手市場であること、一緒に働きたいと思ってもらえるかどうかが面接の段階から重要であること、さらに「カジュアル面談」においてはそこに振り切ってほしいということを、強めに伝えました。実際にやってもらえればわかることなので、このあたりはちゃんと知っているかどうかの問題ですね。

永田有力な候補者様をご紹介いただけるエージェント様ほど、相互理解やポジションメイクの観点で、一番最初の面談の体験を大事にされていますよね。だからこそ面談者が場の意味を正しく理解しておくべきで、候補者様の体験も良くなると、結果的にご紹介も増えていくんです。

江成:かなり丁寧に進めていらっしゃる印象ですが、キャディさんの人事の組織体制ってどんな感じなんですか?

:全社で500名ほどの組織で、人事は10名以上います。そう言うとけっこう多い印象だと思いますが、採用目標は数千人規模の会社と同じぐらいだと思うんですよね。そう考えると、採用担当者の人数は足りているとは言えない状況です。エージェント対応や選考も、永田と直近現場から異動してきた2名体制なので少ないです。

江成:なるほど。これだけ丁寧にやっていると工数もかかりそうですが、濃淡のつけ方はどのように工夫されていますか?

:まさに課題でもあります。正直に言うと今は濃淡をつけず、「永田に全部やってもらう」が答えになります(笑)。

スカウトはアウトソーシングしていますが、エージェント対応の中でもスカウトに近しい業務は切り出せるのではないかと検討しています。永田が相当数の対応をしてきたからこそ、うまく切り出せるかどうかの判断を今後やっていきたいと思っています。

江成:では、2つめのポイントをまとめると、合不合理由の丁寧なフィードバックや、面接力の強化・目線合わせに注力して、選考体験をアップデートしていったということですね。

 

3.エージェントの理解度を上げるコミュニケーション設計

江成:最後のポイントは、エージェントのコミュニケーション設計ですね。エージェントの自社の理解度をあげるために、進捗状況やニュースをメールで配信しているそうですね。

永田:はい。まだ始めたばかりなので理想の形ではないのですが、5周年にちなんだものや、代表のnote、プレスリリースなんかをタイムリーに配信しています。進捗状況については、当社の求人がなかなか煩雑で、どのポジションが募集中なのかわからないという声もいただいていたので、常に最新の募集状況を整理してお送りするようにしています。

江成:たしかに、せっかく注力してたのにクローズ…となると、エージェントの方もテンション下がってしまいますからね。

永田:当社の場合、1名だけの募集というポジションはほとんどなく、完全にクローズするということはないのですが、そうなると逆に状況が不透明になりがちなのです。採用状況によって選考の基準が上がることもあり、それをタイムリーに把握できないとエージェントの方も取捨選択ができないと思うので、常に最新情報を共有したいと思っています。

江成:メール配信は、まだ理想形ではないとおっしゃっていましたが、どのようなものがベストだとお考えですか?

永田:それはむしろ、江成さんに教えていただきたいぐらいです(笑)。ただ、意識しているのは、「人柄」がわかるものにすることです。採用を支援したい、良い人を紹介したいと思ってもらえるためには、無機質な情報提供だけだと難しいな、と。

江成:なるほど。さらに、「Q&Aライブ」という取り組みもされているんですね。

永田:書類選考のフィードバックを丁寧にやるようになってから、ありがたいことにエージェント様からの質問数がどんどん増えていったんです。昨日なんかそれこそ、電話の問い合わせが15件ほど溜まっていました(笑)。

一方的に情報提供するだけでなく、質問にお答えする場を設けたほうが満足度が上がるのでは…と考えて、候補者様向けのQ&Aイベントにエージェントの方もご参加いただくようにしました。

関係性の深いエージェント様はご自身の理解深めるために参加いただいていますし、逆に関係性の薄いエージェント様の場合は、候補者様にこの場をご案内することで求人紹介に役立ててもらっています。

江成:書類選考の丁寧なフィードバックを始めてから効果が出るまで時間がかかったとおっしゃっていましたが、このような場につながると、後々とても楽になりそうですね。

永田:はい、まさに非常に楽になっている実感があります。不要なコミュニケーションも減りますし、管理する作業から解き放たれると工数はグッと下がるんですよね。

:当社は「シフトレフト」 という考え方を大事にしていて、早い段階で工数をかけることで、後で楽になって、効果も出てくる、というのを狙っています。

江成:なるほど。では最後のポイントは、長期的な効果を鑑みてエージェントとのコミュニケーションを丁寧に設計するということですね。

 

まとめ

江成:ここまで3つの方法をご紹介していただきましたが、これらの取り組みによってどのぐらいエントリーが増えたのかをお聞かせください。

:総エントリー数は、我々の入社以降、倍ぐらいになっています。良かったと思っているのが、2~3月に一斉FeeUPの施策を行ったのですが、その頃よりも今の方が、FeeをUPしていないにもかかわらず高い水準を保てているんですよ。ただ一律でFeeを上げても意味がないんだな、と実感しています。直近は連続して流入目標を達成しているので、永田の顔色もいいですね(笑)。

永田:入社直後は顔色悪かったですね(苦笑)。今はとても順調で、ありがたいです。

江成:本当によかったです(笑)。FeeUPのような金銭報酬は、スポット的に効果を出すことはできても、サステナブルに採用がし続けられる取り組みではないですよね。お二人がご入社された7月以降は、エージェント体験・候補者体験にコミットすることで、その体験報酬の効果できれいな伸びを描いているわけですね!

今日ご参加いただいているのは人事の方が中心だと思いますが、明日からでも真似できる取り組みを一つでも持ち帰っていただければ幸いです。来月以降も採用に関するライトパーソンをお招きしてお話を伺う予定ですので、ぜひまたご参加ください!

鄒さん、永田さん、本日はありがとうございました。

 

 

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lib.rpd@libinc.co.jp (「LiBのRPDサービス」事務局)

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