目次
フリーランスでの手伝いを経て、正式にLiBの社員へ
ーまず、LiBとの出会いから教えてください。
新卒で入社した会社で人材紹介のコンサルタントをやっていて、スカウト媒体としてLiBのデータベースを利用したのがきっかけです。2014年、まだLiBが創業して数か月の頃でした。当時まだ登録者数200名ぐらいだったデータベースから、初めてのマッチングを実現したのが私でした。つまり、創業したばかりの「株式会社LiBとしての初決定」です。それを機に、オフィスに遊びに行くような関係になりました。
その後フリーランスになり、LiBの事業にも少しだけ関わることに。月5時間ほどの契約で、商談を部分的に担当するなど、ちょこちょこお手伝いしていました。
フリーランスは期間限定と決めていて、「こんな働き方で、このぐらいの報酬になるんだ」というのがだいたいわかってきた頃に、再び組織に所属して働くことを決めました。その当時、まだ28歳。大した経験値もないのに、スキルの切り売りにシフトしていることに疑問を感じ始めたんですよね。まだまだ自分は、組織で働くからこそのプレッシャーや、スリルに近いような感覚を、しっかりと経験しておいた方がいいなと考えたのです。
そういう感覚を味わうなら、大手やメガベンチャーではなくスタートアップ。その中でも、今後どうなるかわからないようなステージの会社がベスト。さらに、自分の経験や価値観に合いそうなところを絞り、最終的にLiBに決めました。HR領域での経験を活かしつつ、「旧態依然とした商慣習やキャリアの積み方を疑い、多様な選択肢を創ろう」というテーマが自分自身にも合致するし、社会に対して促進したいと思っていたことだったのです。
会社と自分の解像度がグッと上がった新卒採用
ー改めて社員として入社してみて、いかがでしたか?
社員は20名ぐらいで、絵に描いたような「明るく元気なベンチャー」という印象でした。資金調達もできていて、とにかく仲間を集めて会社やサービスのことを広めよう!というフェーズだったので。
入社後1年間ぐらいは法人営業で、その後に人事をやることになりました。当時は管理部門のしっかりとした組織もなく、経理以外の仕事は全部やる、という感じで、全社会議の準備やオフィスパーティの企画など、今思うと本当に幅広くやっていましたね。
その後、組織拡大のために中途採用に力を入れることになり、そちらに専念。採用から入社準備、オンボーディングまで、全部自分でやっていました。
その半年後ぐらいに、LiBとして初めての本格的な新卒採用のプロジェクトがスタートし、それにかかりっきりになりました。今振り返ると、この新卒採用がこれまでの仕事の中で一番大変で、一番頑張った仕事だと言えるかもしれません。
ー どんな点が大変でしたか?
中途採用と比べると、新卒採用はものすごくエネルギーが要りました。どんなタイプの学生がLiBにフィットするのかの定義もゼロから検討しなければならず、まずはとにかく多くの学生に会う必要があったのです。代表の松本と二人三脚で、毎月80名ぐらいの学生に会っていたと思います。大事なファーストキャリアなので責任も大きく、一回一回の面談に尋常ではない熱量で臨んでいたんですよね。
結果的にとても優秀でこれ以上ない新卒メンバーを迎えることができたのですが、次年度もまた同じ熱量で向き合える自信がなく、幸い「新卒採用をやりたい」と手を挙げてくれたメンバーがいたので、少しずつ引き継ぐことにしました。
そのぐらい、新卒採用にチャレンジした年は自分のキャリアの中でも濃い1年でしたし、学びも多かったですね。学生への効果的なメッセージングを考え抜く過程で、LiBという会社のことはもちろん、経営陣の考え、ひいては自分自身の会社に対する考えの解像度がグッと上がった一年でした。
新たなスキルを磨くため、プロダクトマネージャーに転身
ー そこから数年経ち、現在の「プロダクトマネージャー」という職務に就いた経緯を聞かせてください。
新卒採用を引き継いだ後、もう一度ビジネスサイドへ戻ろうと思い、人材紹介のエンタープライズ顧客開拓などにチャレンジしていたのですが、ほどなくコロナ禍がやってきました。厳しい状況の中、会社としての成果を出し続けるために、再び人材紹介のコンサルタントとして頑張ることに。同時に、自分の次のキャリアについて考え始めるようになったのです。
具体的には、自分がこれまで携わってきた「ハイタッチのコミュニケーションが活きる仕事」を卒業したいと考えました。人事にせよ、法人営業にせよ、コンサルタントにせよ、コミュニケーションで成果を出す仕事です。そこで評価をされる世界からそろそろ出たいと思ったのです。もっとテックタッチなところで、自分の新たなスキルを磨きたい。よくある「営業からカスタマーサクセスに異動」みたいなことがわかりやすい例かもしれませんね。
でも自分の場合、仮にカスタマーサクセスに異動しても、少しでもハイタッチなコミュニケーションで成果を出せる余地があると、自分の得意なことへ逃げてしまうような気がしたのです。当時の部署内で兼務として企画寄りのミッションを持つという選択肢もありましたが、苦手分野を本気で磨くためには、兼務だとどうしても中途半端になりそう…とも考えました。
自分が楽に成果を出せる逃げ道を封じたい。そう考えて上長に相談した結果、ビジネスサイドからプロダクトサイドに異動し、プロダクトマネージャーという職務へ転向することになったのです。
ー 異動したばかりの頃はいかがでしたか?
「自分が何がわからないのかがわからない」という、それこそ新卒社員みたいな感じでしたよ。資料を見ても、文字は読めるけど、何を言っているんだろう…みたいな(笑)。でも、自分は昔からできないことをできるようになることが好きだったので、その状態も決して辛くはなく、おもしろかったですね。最初はずっと助手席に乗せてもらって、運転している様子や変化していく景色を見て学んでいる感覚でした。
ただ、社会人歴はそれなりにありますし、何をどのようにキャッチアップしたらよいのかは、自分の中に解がありました。そういうビジネスの基本スキル、社会人歴に応じた視界を持った状態でジョブチェンジして「さっぱり何もわからない状態」を味わうのって、けっこういいなと思いました。これまで積み上げてきた自分のキャリアが適切にフラットになった瞬間でしたね。こういうの、社会人10年目以降の人におすすめしたいです。10年に一度、新卒状態になって、自分自身をアップデートしてみる。令和のキャリア形成には大事かもしれません。
ー そこからの目覚ましい活躍を経て、前回の社員総会ではMVPを受賞しましたね。
はい。受賞のスピーチでも話したのですが、やっと「プロダクトマネージャーをやっている」と周囲に言えるようになったと感じました。IT業界やベンチャー界隈に長くいることもあって、「プロダクトマネージャー」という職種のキラキラした響きというか、職種名が独り歩きしてレイヤーの高い印象が持っていたので、「未経験でプロダクトマネージャーに挑戦しています!」なんて恐縮すぎて言いづらかったんです(笑)。
でも自分がいざ挑戦してみて、プロダクトの企画者だからといって必ずしもエンジニア出身でなければいけないわけではないし、システムに詳しいことが必須条件なわけでもない、ということがわかりました。だから、そういうこれまでの典型的な出自とは異なるパターンを、自分がロールモデルとして示していければよいのでは…と考えたんです。
▲社員総会の授賞式にて、上長の近藤と
LiBのサービスはこの1~2年で、大きな変化を遂げています。ざっくり言うと、従来の人材紹介をベースにしていたものから、マッチングのプロセスを再発明し、よりシステムドリブンかつ、企業と個人が対等になるような仕組みに進化させています。そのプロダクトの開発に私が関わることで、新卒の頃からこれまで積み上げてきた自分のキャリアをすべてつなげられるような気がしたのです。レガシーな人材紹介会社の慣習も知っているし、採用する企業側の事情も知っている。そこをLiBが新たなサービスでアップデートするならこんな感じかな…というイメージが湧いたからです。
ー HR領域の現場についての造詣が深いからこそ、プロダクトマネジメント自体は初心者でも、開発に活かせるものがたくさんあるんですね。
そうですね。上長の近藤がよく、サービスはシステム/コンテンツ/オペレーションで構成されている、と語っていますが、例えばシステムの偏差値が80じゃなかったとしても、システム40/コンテンツ50/オペレーション70…みたいなバランスでサービスを企画することもできますし、プロダクトマネージャーとして価値発揮できるんだ、と気づいたわけです。
だから「現場のオペレーションに詳しい」という自分のアビリティを活かして、システム開発に必要なスキルはコツコツ学びながら、オリジナルなプロダクトマネージャー像を作っていければいいな、と。職種の定義は変わりゆくものですし、新たなロールモデルとして発信できたらいいですね。LiBのプロダクトマネージャーは皆、私以外も、エンジニア出身ではありませんから。
ー 今後チャレンジしたいことはありますか?
プロダクトマネージャーとして市場価値を上げたい、というわけでもなく、なにか新規サービスをゼロから立ち上げたい、みたいなのもないのですが、今ある仕組みを活かしながら、オペレーションを最適化して姉妹サービスを作る…みたいなのは興味がありますね。「LIBZ エキスパート」も、「LIBZ ドラフト」も、仕組み自体はいろいろなことに応用できそうなので、想像するとワクワクします!
西日本各地を転々としながらフルリモートワーク
ー 働き方についてですが、コロナ禍以降、西日本を転々としていたそうですね。
はい。プライベートの事情もあり、広島へ引越して、その後3ヶ月に1回ぐらい場所を変える生活をしていました。広島→倉敷→岡山→高松→福岡→別府→大分→沖縄…と、転々としながらホテルやコンドミニアムでリモートワークをしていました。東京圏以外で生活するのはほぼ初めてだったので、「東京の当たり前は当たり前じゃないんだなぁ」ということを実感しましたね。
▲沖縄のコンドミニアムのテラスにて
東京ではメジャーになりつつあったリモートワークも、地方都市ではかなり珍しがられました。現地のベンチャーで働いている人にすらびっくりされましたから。LiBのリモートワークマッチングサービス「LIBZ エキスパート」の会員様には、居住地の関係でパートしか選択肢がなく、思うようなキャリアが描けず悩んでいた…という方が多くいらっしゃるのですが、その実態を現地で目の当たりにした感じですね。
ー 今は東京に戻って、どんな風に過ごされていますか。
ひさびさの東京を満喫しています。近所のちょっと広めの公園にぶらっと出かけてビールを飲んだりして、東京の魅力を再発見しています。あとは、家に定住していないとできないことをやろうと思って、ベランダ菜園でイチゴや大葉を育てています。盆栽も買いましたよ(笑)。
▲定住生活だからこそ叶うペット&植物
こんな人と働きたい
ー 最後に、どんな人がLiBで活躍できそうか、教えてください。
HRサービスを利用するお客様の体験を考えた結果、業界の商慣習を疑うことを恐れない人、ですかね。たとえ人材業界の経験が豊富で、HRサービスが好きでも、従来のやり方にしがみついてしまう人はやりがいを感じづらいと思います。これって業界のエゴじゃないの?とか、これって無駄な工程だよね?ということを常に考えて、新しくアップデートしようとする人と一緒に働きたいですね。
これはサービスだけでなく、自分自身のキャリアについてもまったく同じことが言えます。私が社会人10年目でプロダクトマネージャーとして「新卒状態」になったのも、本当に良い経験でしたから。自分のキャリアを恐れずにアップデートして、学び続け、アビリティを磨き続けることが好きな人には、LiBはとても良い環境だと思いますよ。
荒川さんってこんな人!
★仕事でいちばんアドレナリンが出るのはどんな時?
ぐちゃぐちゃしたものを構造化するとき。
例えば小さいことだと、さまざまな観点や意見が入り交ざって会話されている内容を表などに落としこんで整理しているときも、地味にアドレナリンが出ています(笑)。
★LiBの3つの行動指針(Stack up Value・Act Direct・Get Insight)の中で一番好きなものはなんですか?その理由も教えてください!
「Get Insight」です。表面的な事象や言動だけでなく、根本にあるIssueをつかむことで、良質なOODAサイクルを回せるからです。
ユーザーの潜在的なニーズにアプローチして良い意味で驚かせたい、という希望も込めて!
★荒川さんが思う、「LiBあるある」を教えてください!
何かに例えて説明しようとすること。
説明者の趣味嗜好(漫画が好き、スポーツが好き等)が出るのでおもしろいのですが、受け手にとっては刺さるものに差が生じることがあるのが欠点かな(笑)。
★荒川さんにとっての自分らしい仕事のカタチとは?
自分とは違う意見や強みを持つ人に囲まれて仕事をすること。
大なり小なり新しい自分を発見し続けたいので、仕事でもプライベートでも、同質性やマンネリを意識的に避けながら過ごすのが好きです!
【採用募集】
LiBではプロダクトマネージャーを募集しています!
以下より、お気軽にお問い合わせください。
シニアプロダクトマネージャー
https://herp.careers/v1/libcorp/PFdy0CrrOWze
プロダクトマネージャー
https://herp.careers/v1/libcorp/jOl4QH7HbHx4
インタビュー・ライティング:高嶋 朝子(株式会社LiB)
撮影:岡田 麻未(株式会社LiB)