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人事のアクションだけでは、なかなか効果が出なかった
ー今回の採用の背景を教えてください。
福原:マーケティング部の組織増強のため、有料広告の領域とコンテンツの領域のそれぞれで、専門性を持っている方を探していました。
コンテンツやSEOなどのスキル保持者であれば、業務委託などで部分的にジョインできる候補者は見つかったものの、今回求めていたのは正社員として腰を据えていただける方。セーフィーのビジョンやサービスに共感して、他部署と共創しながらプロジェクトを推し進めていただける方です。そのような方を見つけるのがなかなか難しい状況でした。
ー「LIBZ」をご利用いただいた経緯をお伺いできますか?
大崎:もともとは人事担当で昨年から使っていたんです。でも人事担当者からのアプローチだったせいか、採用までには至りませんでした。
福原:私は、実は前々職の会社で使っていたんです。その頃は現状のサービスの原形のような、Facebookを介した候補者提案でした。「この人に会ってみたい」と思わせる投稿が上手で、しかもスマホでサクッとアクションできるのが便利だなという印象でした。
大崎:ちょうど「LIBZ」のCSの方からも、現場のハイアリングマネージャーが直接アクションした方が効果が出る、というアドバイスをもらっていたところだったので、使い勝手を把握していそうな福原にやってもらおう!ということになりました。
会社の知名度に関係なく、定期的に候補者提案をもらえる
ーサービスのどのあたりが印象的でしたか?
福原:当時のUIUXとはガラッと変わってわかりやすくなっていましたし、こちらの判定をもとにAIによって候補者の提案ロジックが変わっていく仕組みも導入されていたので、おもしろいなと思いました。
ダイレクトリクルーティングと比較すると、誰をスカウトするかを絞り込むところでかなりの時間を割かなければならないので、そこがカットされるのがまずありがたいですよね。また人材紹介エージェントの場合は、どうしてもたくさん採用できる企業に多く推薦される傾向があるように感じています。セーフィーはその点はまだちょっと弱いかなと思っていて。
大崎:候補者の方は「セーフィーって何?」というところから始まって、初回の面談で会社説明を聞いて初めて意向が上がる…というパターンが多いんです。「社名はあまり聞いたことがないけど、興味があるので話してみよう」という方はよいのですが、そうでなければそもそも応募もいただけません。
その点、「LIBZ」の場合は会社の知名度は関係なく候補者のご提案をいただくことができます。かつ、福原が最初の面談者として、自己紹介を添付した状態でアプローチできるので、スタートがもう全然違いますよね。
ー「LIBZ」からの候補者提案は、どんな印象でしたか?
福原:だんだん精度が上がったというよりも、最初からそんなに外れていない印象でした。あまりスキルで絞りすぎると見落としてしまうので、最初は幅広く見ていたというのもあります。こちらの状況も日々変化するので、徐々に対象を絞っていった感じですね。
今回の採用は、正社員として腰を据えて働いていただける方。それを踏まえると、スキルだけでなく思いを持って仕事しているか・当社のビジョンに共感してくれているかを重視したいという方針がありました。プロダクトを含めて、私たちが挑戦していること、その先に実現したい社会の姿にまで目が向いている人がよい。それは、会ってみないとわからないことなんですよね。
会って話してみれば、価値観やカルチャーフィットが確認できる
ーでは、どんなところで立候補(企業からのファーストアクション)の判断を行っていましたか?
福原:今は転職して複数社を渡り歩くのは当たり前の時代なので、それぞれの会社でどんな経験をしてきたのかを見ます。特にマーケティングにおいては、どんな領域を中心に携わってきたのかが重要です。実績はもちろんですが、その過程において何を頑張ってどう困難を乗り越えて成果につなげたのか、というところにその人らしさが表れると思うので、それを読み取れる方のほうが立候補はしやすいですね。
ですからキャリアカルテの「ハイライトエピソード」は、経歴にピンときた方についてはすべて読んでいます。とはいえ「興味を持ってもらいやすいように書いている」ということは一定理解しているので、すべてを鵜呑みにせず、まずは会って話してみよう、というスタンスです。
ー相互理解面談はどのようなトーンで行っていますか?
福原:先ほどの話にもありましたが、「セーフィーのことをよく知っている」という状態の候補者はほぼいらっしゃらないので、まずは30分ぐらい時間をかけて丁寧に会社説明をします。会社のビジョンやサービスを理解いただいた上で、現状の課題やありたい組織の姿について話します。さらに資料には載せていないマーケティング部の組織概要もお見せして、ポジションの説明をしたりもします。
そのあと質疑応答の時間を設け、今回の転職の背景や、何が実現したら幸せなのかをお聞きします。今こちらが解決したいと思っている課題感も包み隠さずお話しします。自分自身、マーケティング部の部長になって半年弱なので、「一緒に良くしていきましょう」みたいなメッセージになりますね。
ーその後の、選考のための「面接」ではどのような違いがありますか?
福原:一次面接では現場のメンバーに会ってもらって、私は二次面接で再び登場します。その頃には課題の解像度が上がっていて、それに対するご自身の活躍イメージもできている状態になっています。そのあたりを深掘りして、どこに魅力を感じたのか、どこでどんな力を発揮できそうかを具体的に聞かせてもらっています。
また、カルチャーの話もします。メンバーに会ったときの印象や、会社の雰囲気が自分の性格に無理なくフィットするかどうかを確認します。さらに会社が掲げている7つの価値観をお見せして、一つだけピックアップするならどれか、それはなぜか、みたいな話もします。
▲Safie Diagram(7つの価値観) (コーポレートサイトより)
大崎:最終面接はオフラインで行うのですが、この一枚絵は会議室にもあって、それを使って話したりします。採用においてカルチャーフィットはとても大事にしています。
人集めができないマネージャーは、マネージャーではない
ー今回の採用では、求人化する前にマッチングが成立しましたね。
福原:はい。最初はまるっと「デジタルマーケティングができる方」ということで募集をしていたのですが、さまざまな候補者様を見ていくうちに、領域で分けたほうがいいかもしれないと思い始めたのです。それを求人として世に公開する前に、LiBさんからのレコメンドの中からたまたまピッタリの方に出会えてしまったので、結果的にスピーディに決まりました。
大崎:他のスカウト媒体の多くは、スカウトを送る際に必ず求人票を紐づけないといけないですよね。「LIBZ」の場合はそれが必要ないのがありがたいです。「この人良さそう」と思ったらすぐ立候補できて、「まずは会って話す」という機会を得ることができます。
求人票はミスが許されないので、作成に1週間程度かかるケースもあります。それを外注している企業もあるくらいですから。今回のコンテンツマーケターの採用は、求人票こそできていませんでしたが、「こういう人が必要」というのが事業計画に基づいて握られていたので、準備段階でたまたまお会いできてトントン拍子で進んだという形でした。
ー他の部門でもそのような形で「LIBZ」を使っていただけそうでしょうか?
大崎:今も既に使っている部門はありますが、まだ選考までは進んでいないですね。部門によって合う・合わないはあるかもしれません。当社の場合は、マーケティングのほか、デザイナーなどのクリエイティブ系や、人事などのビジネス職と相性がいいように感じます。
ー「現場で直接採用活動をするメリット」について、福原様はどうお考えですか?
福原:私はこれまでのキャリアにおいて、「人を集められないマネージャーはマネージャーではない」と教えられてきました。仲間集めや採用は、事業を成長させたいなら何事よりも優先すべきだ、と考えています。その考え方を実行に移せる風土がセーフィーにはあったのです。
前々職のマネーフォワード社でもそうでしたが、上場を目指すようなフェーズのメガベンチャーは、仲間集めの優先度は高いはずです。採用がうまくいかない責任を、人事に擦り付けてはだめなんです。
ー「現場は忙しいから人事でやってほしい」という声も多い中、すばらしい姿勢ですね。大崎様、人事の立場からはいかがでしょうか?
大崎:うまく運用できるかどうかは部門の状況等にもよるかもしれませんが、福原のケースは本当にうまくいったパターンだと思います。全社的にちょうど、部門ごとに積極的に人集めをしていこうというチャレンジがスタートしたところだったので、今回はよい成功事例となりました。
私自身、人事担当だけで「LIBZ」を使ってみて、いくら自分が立候補してもうまく進まず大変だった経験があり、現場のハイアリングマネージャーが直接動いたほうが承諾率が上がるというのを心の底から実感していました。だから人事と現場が連携して効果を最大化することの重要性を理解していたのです。
ー福原様は採用以外の業務もお忙しい中で、どのような工夫をして「LIBZ」を使いこなしていただいたのでしょうか?
福原:私の場合は、もう完全に作業の型を決めてルーティン化していました。「LIBZ」にはSlack連携の機能もあるようですが、現状は人事が窓口になってSlack対応しているので、私はメールだけでキャッチアップしています。チャットツールが流行る前のビジネスはすべてメールでしたし、もうその処理は習慣化されているので、特に苦になりませんね。
忙しくて採用関連のメールを捌けないとか、採用活動自体に工数を割けないというのは、採用の重要度に対する理解の甘さなんじゃないかと思います。「リソース不足が業績に大きなダメージを与える」というのを経験していれば、自ずと採用の優先度は上がるはずです。
現場での採用は、候補者体験の向上にもつながる
ーでは最後に、従来の採用手法で苦戦している企業にメッセージをお願いします。
福原:現場のマネージャーは基本的に多忙な方が多いと思います。ですから、「LIBZ」のようなツールを活用して「決められた日時」に「厳選された候補者情報」を見るというのをルーティン化できるかどうかが、効率的な採用活動のポイントになると思います。
ハイアリングマネージャーが直接アプローチをするということは、候補者様にとってもポジティブに働くものだと考えています。その後の面談までセットで行えば、候補者体験も良いですし、会社としても興味喚起しやすくなると思います。ワンステップ増えることを恐れず、まずは試してみる価値があると思います。
ー大崎様もぜひ、人事としての立場からお願いいたします。
大崎:最初の面談をするのが人事の場合、例えば業務内容の説明ひとつでも、言葉の使い方が微妙に違ったりすると、現場で伝えたいこととの齟齬が生まれてしまうことがどうしてもあります。そういう伝言ゲームのようなコミュニケーションロスを回避し、マネージャーの頭の中にあることが候補者様に直接届くというのは、人事にとっても現場にとっても、候補者様にとってもメリットだと思います。後々の選考にもじわじわ効いてくると思うので、可能なポジションから試してみるとよいと思います!
▼セーフィー株式会社
https://safie.co.jp
インタビュー・ライティング:高嶋 朝子(株式会社LiB)