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自分たちの採用力が及ばないところにLIBZ エキスパートを活用
ーLIBZ エキスパートの活用を検討した経緯を教えてください。
立ち上げに携わっていた前サービス責任者の佐藤さんともともと知り合いで、サービスローンチのお知らせをSNSで拝見して興味を持ったのがきっかけです。
当社はもともと、業務委託の方を多く活用しています。フルリモートで組織を運営していることもあり、いきなり正社員としてジョインいただくよりも、インターンのような形でまずはお互い試してみるというスタイルが安心かな、と。
さらにニーズのあるポジションがたまたま副業や兼業でもお願いしやすい内容であることが多かったので、業務委託を積極的に活用していました。
ー業務委託の方は、これまでどのように探していましたか?
副業のマッチングサービスや媒体をいくつか利用していました。良い人材に出会えるのですが、一巡するとすぐに枯渇してしまい、また次の媒体で探して…というのを焼畑農業のように繰り返しているうちに、だんだんと限界を感じるようになっていたのです。
さらに、副業媒体だと職種によっては条件が合わなかったりします。例えば営業職だと、平日の昼間は本業があって難しい、ということが多く、なかなかマッチする方に出会いにくいんですよね。
ーそんな中で、LIBZ エキスパートはどのように活用されていますか?
LIBZ エキスパートに登録されている方は稼働可能時間がさまざまなので、こちらの条件にピッタリな方を探してきていただけるのがありがたいですね。自分たちの採用力が及ばないところを手伝っていただいている感じです。
例えば最近、採用スタッフの方をお願いしたのですが、「業務委託の募集/受け入れ経験がある方」というピンポイントな要件でした。どんなに経験豊富でも、正社員採用だけをやっていた方だとワークしないんですよね。これを自分たちで媒体から見つけようとすると大変ですが、LiBさんは3日ぐらいで探してきてくださったので助かりました。
コア業務と定型業務の間にある、曖昧なニーズを満たす
ーニッチなニーズのところで上手に活用されているんですね。
そうですね。社員がやるようなコア業務とも、完全に切り出せるような定型業務ともまた違った、その間にあるニーズを満たしたいんですよね。だから従来のアウトソーシングサービスだとハマりにくいのです。
切り出し型のアウトソーシングだと、そもそもの「切り出すまで」が大変だったりします。誰がやっても同じになるように、金太郎飴方式で業務を整えるのは、実はけっこう難しい作業だと思います。経費精算など、もともと定型の業務ならよいのですが、当社のニーズはそうではありませんでした。
LIBZ エキスパートの皆さんにも簡単なマニュアルをお渡ししますが、そのマニュアル作りから一緒に手伝っていただくことも多いです。実際の業務で手を動かしてもらってから、一緒に型化します。こういう「曖昧なニーズ」を業務委託の方にお願いする場合、オペレーティブな方よりも、機転が利く方のほうが助かるわけです。
ーそういう痒いところに手が届く方、たしかに見つけるのが大変ですよね。
はい。人が足りない中で、私たち自身もどういうスキルを持つ人に来てもらえばいいのかわからないこともあります。だからいつも、とりあえずLiBさんに課題を相談して、壁打ちをしながら要件をすり合わせていく感じですね。ピッタリの人が労働市場にどれだけいらっしゃるのか、私たちもわからないので。曖昧なところからご相談できて、しかも必ずスピーディに「絶妙な人」をご紹介いただける点が本当に助かりますね。
ーいわゆる「このポジションを募集中!」という採用とは違うスタイルですね。
スタートアップで、まだいろいろと整っていない中だと、ジョブ型採用みたいなのは合わないですよね。「営業をやっていたから営業で採用」といったようにキレイにハマるわけではありません。必ずしもその職種の経験ではなく、「その方ならではの経験」と「私たちが求めているニーズ」がマッチしているかどうかが大事だと考えています。その上で、働き方や相性がマッチするかどうか。そこでまずは試しに一緒に仕事をしてみて、お互いに合うかどうかを判断してから正式採用へ…という流れが当社のスタイルですね。
静岡や仙台から、エンゲージメント高く活躍中
ーでは、現在活躍されている方たちについて、教えてください。
初期に私自身で探してお迎えした2名の方を中心にお話しますね。
まず、セールスでジョインいただいた方は、もと甲子園球児で、その後も30歳手前まで独立リーグで野球選手として活躍されていた方です。IT系の会社に就職され、展示会の営業などを経たのちに当社にご縁があり、4か月ほど業務委託で働いてもらって、現在は正社員として活躍してくれています。
爽やかでパリッとしている第一印象で、現在もクライアント先からとても評判がいいんです。募集要件としては、「教育はこちらでやるので準未経験でもガッツがあればOK」という感じだったので、ピッタリの方だったと思います。私自身がオンボーディングを担当し、一緒に頑張っていける可能性を感じて、正社員になってもらいました。
この方は静岡からフルリモートで働いています。お子さんが生まれるタイミングで地方移住をされて、奥様も働いているので、最初は時短勤務でした。お子さんが保育園から幼稚園に変わり、送迎が不要になるタイミングでフルタイム勤務に変更しています。つい最近、3人目のお子さんが生まれたそうですよ。
ーライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を実現されていますね。
今は男性も当たり前に家庭にコミットする時代ですからね。前時代的な価値観で採用していたら良い人に出会えないですし、オンラインでの業務が可能なIT系の会社は特に個人のワークライフバランスに寄せていかないといけないと思います。ちょうど社内でも就業規則を整備するタイミングだったので、より柔軟に働けるようにアップデートしました。
彼は普段はフルリモートで商談をこなし、展示会などではリアルで参加して活躍してくれています。野球選手だったこともあってか、現場でかなりリーダーシップを発揮してくれました。社員になって、既存社員との連携も増えてくるので、今後も期待したいですね。
ーもう1名、エンジニアの方も、天野様ご自身が決められてましたね。
はい。こちらは仙台在住で、地元を出る予定はなく、フルリモート希望の方でした。エンジニアとしてのスキルレベルはまだまだこれからという方でしたが、当社が求めているレベル感にはちょうどよくフィットしていたんです。スペシャリストでもなく、オペレーティブでもなく、その間のニーズをちょうど満たしてくれる方でした。
「これはできる」「これはまだ難しい」ということをハッキリと発信してくれたので、こちらとしても非常にやりやすかったのを覚えています。相互理解も深まり、1年ほど働いてもらったのちに社員としてお迎えすることになりました。
お互いをちゃんと知った上でジョインしてもらっているので、エンゲージメントも強く、コミュニケーションもよく取れています。この間もちょうど仙台出張があったので、リアルで会って、一緒に牛タンを食べました(笑)。最近ライフイベントもあり、ご自身の生活を大事にしながら安定して活躍してくれていて、うれしいですね。
ーリモート下のエンゲージメントやコミュニケーションもうまくいっているのですね。
当社もまだまだ、部署によってはコミュニケーションに課題があるところもあります。仕事そのもののスキルとはまた別のセンスも必要なので、簡単ではないですよね。
LIBZ エキスパートの方が活躍している部署では、幸い認識の齟齬も少なく、比較的うまくコミュニケーションが取れている印象です。LIBZ エキスパートの方は皆さんテキストコミュニケーションが上手なので安心感があります。リモート下では、テキストベースでスピード感のあるリアクションができることも大事ですからね。
このあたりは、企業側の対応も同じだと思います。例えば原稿の修正や何らかの確認事項など、相手のあるやりとりはスピードが大事です。そのスピード感がないと、お付き合いが難しいと判断しますし、判断されてしまいます。
特にIT系のスタートアップで活躍し続けたいと考えているのであれば、そのあたりはすごく大事なポイントだと思います。少し話が逸れますが、人生100年時代、つまり80歳ぐらいまで働く時代になると、40・50代の人は「いかに変化に対応できるか」が大事になってきますよね。CSの立ち上げができるとか、最新のスタイルで営業のプレゼンができるとか、市場の価値観もどんどん変化しています。働き方を含め、急激な時代の変化に合わせてアップデートできるかどうかが、活躍の肝だと思います。
スタートアップが採用競争力を向上するには、「柔軟性」がカギ
ー御社では、LIBZ エキスパートメンバーだけでなく、皆さんがフルリモートで働いていますね。
そうですね。コロナが落ち着いてきたせいか、最近は「出社にしないんですか?」と聞かれることが多いのですが、当社は変えない方向です。ただ、メンバーの居住地が多様なので、各地に拠点を作って任意で拠点出社…とかはありかもしれませんね。
ー天野様ご自身も、福岡からフルリモートで働いてらっしゃるんですよね。
はい。出身は千葉で、東京圏以外は住んだことがなかったのですが、ちょっとしたきっかけがあり、昨年福岡に移住しました。会社の登記は東京ですが、基本的には自宅からフルリモートで社長業をやっています。
お客様も全国にいらっしゃるので、福岡や関西圏のお客様と会食に行ったりもしています。東京よりも地方の方が、会ってコミュニケーションする風潮が戻っているかもしれませんね。
ー創業時から、フルリモートによる人材活用を考えていたのですか?
もともと留学関連のメディアを運営していたので、海外在住の留学生のインタビューなどをオンラインで実施していたんです。だからリモートで仕事を進めることが当たり前で、Zoomも2017年ぐらいから活用していました。それを土台にして組織を創っていったので、自然とフルリモートで人材活用していましたし、コロナ禍でも慌てずに済みました。
ー社員の皆さんも、柔軟な働き方で働いているのでしょうか?
はい。リモートワークが前提の事業であったため、自然と自由度の高い働き方がしたいという方が集まってきた感じですね。冒頭に申し上げた通り、業務委託メンバーも多いので、週3・週4も当たり前です。だから全体的にすごくラフな働き方になっています。
その代わり、給与体系は成果ベースになっています。メンバーがどのように時間を使っているかは細かく管理しませんが、成果で返ってくるよ、という考え方です。必ずしも毎日8時間働かなくとも、成果が出ていれば5時間でもいいですし、逆に頑張らなきゃいけない時は頑張る、みたいなイメージです。信頼関係と成果主義をベースに組織を運営しています。
ーでは最後に、LIBZ エキスパートに限らず、フルリモート人材活用のプロであるテクロ様から、メッセージをお願いします。
企業は時代の変化に柔軟に対応していかないと、採用の競争力がどんどんなくなっていきます。特にスタートアップは深刻です。採用力が給料勝負になってしまうと、体力のある大手企業が勝つのは当たり前で、中小離れが加速します。
そこでとれる戦略が、大手企業にできないような「柔軟性」、これに尽きるのではないでしょうか。フルリモートや、時間の制約のない働き方をうまく広げていくことが大事だと思います。
なかなか踏み出せない企業も多いようですが、採用競争力向上を意識して、経営課題として「エイヤ」で踏み込んでしまうのがよいと思います。優秀な人材にスタートアップで活躍してもらえるように、まずは業務委託から試してみるなど、できるところからアップデートしていけばよいのではないでしょうか。
▼テクロ株式会社
https://techro.co.jp/
インタビュー・ライティング:高嶋 朝子(株式会社LiB)