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ハイキャリア女性の転職支援とダイバーシティ&インクルージョンを推進する転職エージェント「リブズパートナーズ」(現:LIBZ 幹部ドラフト)は、転職のリアルがわかる&キャリアの選択肢が広がるプライベートイベントを定期開催しています。今回は、2020年12月に開催したイベント #転職のリアル をご紹介します!
イベントのテーマは「スタートアップ役員が語るキャリア奮闘記」。今回は、前編、中編、後編、の3回シリーズの2回目です。
目次
・現職に入社の理由/きっかけは?「スタートアップ」の選び方は。
・なぜ役員ポジションになったのか?
・役員になる前と後、自身の中でどんな変化があった?
・自分の“WILL”っていつからある?どうやって醸成した?
・スタートアップで成長するひと、しないひと、とは?
・もう一度、キャリアのスタートに戻ったら、同じような選択をするか?
現職に入社の理由/きっかけは?「スタートアップ」の選び方は。
別宮:
ここからは、質問を投げかけながら、お2人とお話ししていきたいと思います。まず最初の質問は、「現職に入社の理由、きっかけは。スタートアップの選び方」。
宮内:
私の場合は、今のスカイドライブの代表、創業メンバーの中でも創業の発端である福澤に、一緒にやろうといわれたに尽きる、って感じです。全然自分の意思ないじゃん、って感じですけど、笑。振り返ると「居場所」というのが大事というか、頼られると嬉しいというのがありました。来てほしいといわれた代表の熱意が、前職のリクルートにいてほしいといわれた熱意よりも優っていたのが、ありがたいなと思って決めました。
別宮:
「頼られる人間」であるために、宮内さんが心掛けていることってありますか?
宮内:
頼られるために、というのは結局受け身なのかもしれなくて、この人に必要とされよう、としてやってしまうと、相手がそうでなかったときに、心がしんどくなるんじゃないかなと思いますね。だから、逆に、自分を軸にして自分が成長するようにしています。そうすると、ここを補ってくれそうだ、とか、こういう役割に合うのではないか、と、相手が結果的に思ってくれる、ということだと思います。
別宮:
宮沢さんは、企業選びの軸はいかがでしょう。
宮沢:
私は二つあって、その会社が儲けたいとか成長したいとかではなくて、社会にこういう影響を与えたい、というビジョンのある会社が好きなので、まずそこで選びました。また、経営陣のバランスとして、社長がビジョンを語る一方で、周りの役員がエグゼキューションがしっかりしているとか、ドリーミーな社長をしっかり周りが支えているといい会社だと過去の経験から思っていて、それが軸で選びました。
別宮:
スタートアップは、遠くから見ていると、相当数の会社がいずれもビジョナリーなことを語っているように見えるんですけど、どう本質を見分けたらいいのでしょう?
宮沢:
やっぱり社長なのか役員なのかが、熱意をもって話しているかどうか。面接などで話していて、「この人、本気で言っているな」と感じるかどうかだと思います。
別宮:
人に会って話をする、一次情報を大事にする、ということですね。社長の周りにいる人も重要だという話もあったのですが、それはどのように見ていけばいいでしょう?
宮沢:
自分は面接の中でCOOにお会いできたのが大きかったです。現在は、自分が面接をする側になっていますが、入りたい会社に対しては、会わせてほしい、とリクエストしたほうがいいと思います。
別宮:
経営ボードメンバーがどんな思想を持っているかを直接聴く、というのは、スタートアップでの会社選びにおいては大切ということですね。
なぜ役員ポジションになったのか?
別宮:
次の質問です。なぜ役員ポジションになったのか。意思をもって、もあれば、そうでない場合もあるかもしれませんが。
宮内:
私は、複数の候補者の中で抜擢された、という感じではなく、創業メンバーなので、そこに私がいた、という俄然結果論なんですけれど。とはいえ、会社を経営していく中で、最初は人が少ない中で、社長がやるべきでない、苦手としている領域を、領域広くカバーできることが重要で、そういう点では自分に合っていたと思います。私は、ビジネスの経験が長く、どの分野においても、自分が当事者でなくても関わりの中で一定の理解してきたので、カバーできる範囲が広いというのが、最初に取締役に選んでいただいた理由かなと思います。
別宮:
なるほど。ちなみに宮内さんがスカイドライブに入ることを決めた時に、スカイドライブさんが既に経営メンバーががっちりいて、そこにメンバーで入ってください、という誘われ方と、今回のように経営メンバーです、という誘われ方と、どっちがいいでしょう。
宮内:
考えたことなかったですね。でも、何も見えない頃だからこそ面白くて入ったことがあったと思います。ある程度固まっていたら、ゼロから作る、つらくても楽しい部分は得られないので、選んでなかったかもしれないですね。
別宮:
やっぱり、サービスだけでなく組織も含めて、ゼロから作るというところにワクワクして選ばれて、加えてそこに、権限も持っている、ということがより好ましいということなんでしょうかね。
宮内:
サービスはリクルートでも作れるけれど、会社を作るのはリクルートではなかなかできない、そこが大きな違いだったかもしれないですね。
別宮:
宮沢さんはどうでしょう。
宮沢:
そうですね、私は目指したわけではなく、結果としてなったという感じです。当社は「役職は役割だよね」というポリシーを掲げていて、その時に必要なポジションがあって、その時私が適任だったから選ばれた、ということですし、職位があってもなくてもたいしたことではないのかなと思います。
宮内:
そうですね。私もそう思います。先ほど別宮さんが、ゼロから立ち上げる面白さ、と、権限、とおっしゃったんですが、権限にあまりときめいたことはないんですよね。
それはやっぱり、育ちが影響していると思うんですけど、リクルートでは、誰が言うのか、より、何をいうのか、で採用された会社でした。権限がなくても、芯を食ったことを言えれば採用してもらえると思っているので、権限にはこだわっていないですね。
宮沢:
おっしゃる通りですね。
別宮:
宮沢さんにもう一つ聞きたいのですが、「結果なった」とのことなんですけど、なるにあたって、どんな意識や工夫をされたか。何が効いたんでしょう。
宮沢:
目の前のことをがむしゃらにやったのと、会社のことをすごく考えていたからでしょうか。そういう発言をしていたんだろうなと思います。自分の利益ではなく会社のため、と思ってくれているところが良かった、といわれたことがありました。
別宮:
どんな発言か覚えています?
宮沢:
生意気だったので。笑。 若干ケンカを売るような、わりといいづらいことを経営会議のオブザーバーだったときに言った事がありますね。「本当は言えなかったけどそうだよね」といわれて空気が変わったのを覚えています。「うちの会社って、市場の中で、このポジションなんじゃないの?こういうポジションなんだから、もっと客観的にやりましょうよ」みたいなことをいいましたね。
別宮:
自分中心の発言だと、愚痴っぽく聞こえるが、会社のことを率直に良くしていく発言は、ちゃんとした提言になりますもんね。
役員になる前と後、自身の中でどんな変化があった?
宮内:
そうですね。これもっと感じなきゃいけないんだなと質問をもらった時に反省したんですけど、笑、感じるのは、株主とか取締役会とか、大企業にいるときには遠い存在だったものが、目の前にいらっしゃることですね。沢山の人の期待と資本によって生かされているというか。最初の投資家の千葉さんが「これで社会的責任を背負うんだよ」といわれたことを覚えています。
別宮:
重みのある言葉ですね。
宮沢:
私も一緒ですね。取締役会に出て、株主からの期待、冷静な市場からの期待、社外の人からシビアに見られている感じを感じますね。
別宮:
一見大変そうですが、ポジティブな側面をおっしゃっていただくと。
宮沢:
そうですね。会社を代表しての発言ととられるので、自分のふるまいをより洗練させられた、そういうスキルは磨かれたと思いますね。
宮内:
ポジティブな側面は、宮沢さんと一緒で、機会と立場によって鍛えられる、という点もあるので、そういう貴重な機会をいただいた、という点ですかね。でも追いついてなくて、早くこのコーナーが終わってほしいと思ってますけど、笑。
別宮:
関係やポジションが人を育てるのですね。笑。
自分の“WILL”っていつからある?どうやって醸成した?
宮内:
リクルートが、卒業を祝うというか、肯定する文化の会社なので、WILLというか、自分の実績を積んでおかないといけない、結果や成果を見える化しておきたい、というのは前からありました。自分のキャリアの中で、最高のチームで働けたときには、心からの喜びがあって、自分がリスペクトできる人と仕事をすることが私の喜びなんだなと思って、WILLとしてはそれを求めるところがありますね。
別宮:
何をやるか、より、誰とやるか、のほうが優先度が高いということですね。そういう志やWILLのもち方もありますね。
宮内:
それが気の合う人、というより、尊敬できるかなわない人、とやると、毎日すごい!と思えてワクワクして幸せです。
宮沢:
尊敬できる人がいなくなっちゃったらどうするんですか?
宮内:
そこなんですよね、笑。でもまた、旅に出てしまうと思います。尊敬できるひとと仕事をする、が自分の成長にリンクしていると思いますね。
宮沢:
私も同じですね。「これがやりたい」というWILLを大事にする風潮が世の中にあるんですけど、私も、どちらかというと、どういう環境だと自分の力が発揮できるのかを考えて、そこに身を置きたい、というのがWILLですね。
別宮:
それはどんな場所なんですか?
宮沢:
そうですね。私は現場仕事が好きだし、その会社をよくするために大きなところから変えていきたいという気持ちもあって、その両方が叶えられるような環境。当社は今200人くらいの規模なんですけど、そのサイズ感で両方見えるのがすごくやりやすいです。あと、人事のことをやってみたい、とは思っていました。人事課題を解決できる自信がそのときあって、「やりたいです」といいました。やりたいと思うことをかなえられる環境、というのが今の会社にい続ける理由になるし、そのWILLは火が消えずに続いています。
別宮:
お二方とも、世の中が求める大それた大志、みたいなことはなく、自分らしさが発揮できるところはどこなのか、ということを考えたた時に、こういう人、とか、こういう環境、とか、こういうミッション、とかそういうことを自分の中で考えて行動してみるだけで楽しくワクワク働けるということなんですね。
スタートアップで成長するひと、しないひと、とは?
宮内:
この質問、宮沢さんと一緒の回答だったんですよね、笑。やっぱり、カオスを楽しめる人、ですね、まずは。スタートアップでは、想定外のことが沢山あるので、それで辛くなってしまうと、辛いと思います。
宮沢:
同じですね。スタートアップは、毎日想定しないことが起こるんですよね。私はランサーズに60人規模の時に入りましたけど、たいてい、何も整備されてなかったですね。そういうものなんですよね、笑。何もないなら、作っていける、とアドレナリンが出る人のほうが楽しめると思います。
別宮:
逆に、カオスを楽しめない人というのは、どんな方ですか?
宮内:
たぶん、先天性の気もするんですけど、ある一定の固定概念だったり、整理脳があったりすると、「こういうのも決まってないんですか」とがっかりしたり、自分は何をしたらいいのかな、となってしまうと思うので、どこかでやっぱり「楽しめる」ということだと思います。整っていないことに、耐性があるのが大事かと。
宮沢:
特定のスキルを磨きたい時には、環境が整っていないことがノイズなので、この時期は、このスキルを得たい、とフォーカスしたいものがあれば、制度が整った会社のほうがいいですね。スタートアップが合うかどうかは、その人の得たいものによるのかなと思いますね。
別宮:
整っていない中で、整っていないならこういうのをやってみたらいいんじゃない、と楽しめる人がスタートアップには合うんですね。
宮内:
スタートアップは、やる順番と時期があると思うんですね。成熟した企業を100点とおいた時に、100点にならなくても、今期中にまず20点にしよう、とマイルストーンを切って前に進む、建設的な道筋を書ける人だとすごく活きると思いますね。絶望もしてもいないし慌ててもいない、というマインドがある方があっている思います。
もう一度、キャリアのスタートに戻ったら、同じような選択をするか?
宮内:
しないです!笑。私は新卒ですぐに会社に入ってしまったので、もう一度するとしたら、大学在学中か卒業後に、インターンであったり、海外生活であったり、縛られる外的要因がないうちに、沢山いろいろな経験をしてから仕事をしたかったですね。色々な選択肢がある、とその時に戻れたら自分に教えてあげたいですね。
宮沢:
私は仕事で、フリーランスの方と一緒になることも多いですし、社員にも副業をしている者もいます。でも自分はやっていないので、会社に対する考え方が違うのかなと感じることがあります。一度、フリーランスでまずこの会社に関わってから入るとか、いろいろやってみてもよかったかなと思います。
別宮:
お2人のおっしゃっていることは近しいのかなと。従来型というか、最初に会社に入って、1回か2回の転職でキャリアを終えるというルートよりも、回り道というか、色々な選択肢がある中で、体験してみてもよかったかなということなんですね。どうしてそう思われるんですか?
宮沢:
視野が広がるとか、いい意味で会社にしがみつかないので自由な発想ができるとか。そういうことをやっている人ほど、視野の広さや自由な発想を感じます。
宮内:
そうですね。引き出しや人脈が増える、自分に自信ができると思うんですよね。別でも食べていける、という自信は、すごく強さになると思っていて。ここを辞めると食べていけなくなってしまうと思うと、正しいと思うことも発言できなくなって、周りのことに合わせる仕事の仕方をしてしまうから。そういう強さというか自信がつけられるのではないかと思いますね。
別宮:
なるほど、そういう「強さ」は何かに勝つというより、自分らしくあり続けるための強さなのかもしれませんね。発言一つとっても。それを選んでも自分らしくあり続けることができるという強さなのかもしれませんね。いいお話しですね。
以上が、質問をもとにお2人に語っていただいたお時間でした。セミナーはここで一旦お開きになりますが、ここからは、会場から来たご質問にカジュアルにお答えいただく、舞台裏セッションに続きたいと思います!
(後編に続く)
(この記事は2021.03.12に公開されたものです)